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2014年11月17日

【環境】帝人 白金を使用しない燃料電池触媒を開発、電池コスト低減と安定供給を実現


帝人は、白金を使用しない燃料電池触媒を開発した。安価で容易に調達できるカーボンアロイ(炭素材料)触媒(CAC)で、燃料電池自動車の普及に必要とされる燃料電池のコスト低減と安定供給を実現する。

燃料電池は水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、発電時にCO2などの温室効果ガスを排出しない次世代エネルギーとして、工場の大規模発電やオフィスビルの非常用電源などに利用されている。平成26(2014)年度中には燃料電池を動力源にした燃料電池車の発売が予定され、自動車用途への市場拡大が期待されている。しかし、触媒に多くの白金が必要なことが課題となっている。白金は高価なうえ特定地域でしか産出されない資源のため、燃料電池の普及に向けて調達しやすく安価な白金代替触媒が求められていた。帝人はこうした背景から炭素繊維原料でもあるポリアクリロニトリル(PAN)と鉄を原料とするCACを開発した。

PANは白金と比べて安価で容易に調達でき、CACによって触媒の大幅なコストダウンや量産化が促進できる。さらに、同社の高分子・炭素化技術の活用により、触媒の粒子を微細にすることで優れた活性を示し、CACを触媒に使った燃料電池は非白金触媒で世界トップ水準の発電性能を発揮する。今後、平成37(2025)年までの実用化を目指し、CACの一層の高性能化や耐久性の向上を進めるとともに、燃料電池として実用に耐えられる特性を持たせる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:20| 企業の取り組み 【機関別】