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2014年11月14日

【環境】清水建設、工業用クリーンルームの省エネ制御システムを開発、運用コスト削減


清水建設は、工業用クリーンルームのランニングコスト削減を目的に、粉塵除去用のファン・フィルター・ユニットを室内の清浄度に合せてリアルタイム制御する「クリーンルーム省エネ制御システム」を開発した。同社が先に開発したタスク&アンビエントクリーン空調システムと組みわせることで、清浄化費用を最大40%程度削減できる。

大量の電気を消費する生産施設においては、節電・省エネは最大の関心事項でありながら、所定の清浄度維持や温度制御が最優先される工業用クリーンルームでは、常時、設備機器がフル稼働してる。そこで同社は、清浄環境の維持と節電・省エネを両立させる運転方法として、室内の清浄度に合わせてファン・フィルター・ユニットをリアルタイム制御する「クリーンルーム省エネ制御システム」を開発した。本システムは、クリーンルーム内の粉塵濃度を測定する市販のパーティクルカウンター、同カウンターの数値を常時監視し、ファン・フィルター・ユニットを運転制御するパソコンから構成される。制御方法はいたってシンプルで、クリーンルーム内の粉塵濃度が所定の管理限界値に近づいた場合にはファン・フィルター・ユニットの運転強度を強め、逆の場合には運転強度を弱めるというもの。

従来のクリーンルームにも、同社が開発したタスク&アンビエントクリーン空調システムを導入したクリーンルームにも適用可能。浄化と空調を一つの空気循環系統の中で行う前者の場合、ファン・フィルター・ユニットを制御すると室内温度が変動してしまう。後者の場合は浄化と空調が異なる循環系統で行われ温度変動が生じないことから、ファン・フィルター・ユニットの運転制御の自由度が増し、節電・省エネ効果が一層高まる。本システムとタスク&アンビエントクリーン空調システムを組み合わせて600m2程度の一般的な工業用クリーンルームを運転した場合、室内空気の清浄化費用を最大で約80万円/年、40%程度削減できるという試算結果を得ている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| 企業の取り組み 【機関別】