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2014年10月20日

【環境】大成建設、鉄粉と小型磁気分離装置でヒ素汚染土壌浄化技術を開発


大成建設は、泥水式シールドトンネルで発生する自然由来ヒ素の汚染土壌を浄化する技術を開発した。汚染土壌に鉄粉を投入撹拌し、小型磁気分離装置でヒ素の付着した鉄粉を回収する。また、その際、使用した鉄粉のヒ素吸着能力を新品同様に回復させる技術も開発した。

近年、首都圏を中心に大深度のシールドトンネル工事が多く計画されているが、掘削時において環境基準値(土壌溶出量基準値)を超過する自然由来のヒ素を含む土壌に遭遇する場合があり、これをセメント原料として再利用したり管理型処分場の埋立てに使用するには多大なコストが必要で、処理量も限られており、排出土を浄化して有効活用する方法が求められている。

当技術はヒ素吸着用鉄粉を用いて、泥水式シールド工事で発生する泥水中のヒ素を回収して、二次処理土のヒ素溶出量を環境基準値(0.01mg/L)以下に低減する技術である。

ヒ素に汚染された余剰泥水に鉄粉を攪拌混合し、コンパクトな永久磁石磁気を搭載した分離装置(マグネットセパレータ:約2uの設置面積で120m3/hの処理能力)により鉄粉を回収する。これにより限られたサイト内でも処理装置を設置することが可能になる。

また、鉄粉はヒ素の吸着能力が飽和状態(0.5〜1.0g/kg程度)になるまで繰り返し使用し、飽和状態になれば鉄粉を廃棄物として処理するのが従来の方法であった。

これに対し、大成建設は、特殊な酸を用いて飽和状態の鉄粉の吸着能力を回復して新品の鉄粉と同様に使用する方法(鉄粉リサイクル技術)を開発し、これにより、鉄粉の使用量は従来より80%以上低減できると試算しており、コスト削減も期待でき、結果として、二次廃棄物量が酸の廃棄を含めても60%程度低減できる見込みである。

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投稿者:gotsuat 10:15| 企業の取り組み 【機関別】