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2014年09月30日

【環境】大成建設 「電化フロア電動カート」を開発



 大成建設は、豊橋技術科学大学と共同で屋内を走行する搬送システムなどの電動カートに対して建物の床からワイヤレスで電力を供給できる「電化フロア電動カート」を開始し、同システムを使い国内で初めて人が乗車した走行中の電動カートにワイヤレス給電することに成功した。

 近年、省エネや環境への配慮の観点から電気自動車(EV)の普及が望まれているが、
バッテリーを搭載しているEVは、走行距離が短い、充電時間が必要、価格が高いなどの課題があり、これらの課題を解決する手法として、同大学は高周波電力がゴムなどの絶縁体に流れることを利用したワイヤレス給電式電気自動車の開発を進めてきた。しかし、高周波電力を利用するための電極線路の安全性や効率に課題があり、実用化に至らなかった。
 そこで、同社は、同大学と共同で、電動カート及び建物床材、高周波電源装置を一体化し、電動カートにワイヤレスで給電可能な電化フロアを開発した。なお電動カートはワイヤレス給電式電気自動車の原理を応用した。

 一方、電化フロアは構成する1.コンクリート系・アスファルト系床材、2.電極線路、3.金属箔などの部材を適切に組み合わせることで電力エネルギーを効率的に電動カートに送ることが可能となった。

同システムの特長として、
(1) 電化フロアを適用することで、電動カートへの充電やバッテリーの搭載・交換が不要となり、また、連続走行が可能となるため、走行距離の課題が解決する。
(2) 電化フロアは特殊な建材ではなく一般建築部材で構成されるため、容易に安価に設置することができる。
(3) 電化フロアの床仕上げはアスファルト系部材、コンクリート系部材のいずれかが選択でき、生産施設や物流施設などの幅広い用途に利用可能で、また、新築だけでなく既存床上にも適用できる。

 今後は、同技術を実用化し、生産施設や物流施設など屋内で利用する電動搬送システムとして積極的に技術提案していく予定。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 08:40| 企業の取り組み 【機関別】