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2014年08月19日

【知識】富士フイルムとIMAGICAが業務提携

富士フイルムとIMAGICAは、映像業界向けデータアーカイブ分野において業務提携するパートナー契約を締結した。富士フイルムは、映画やテレビ番組など、映像作品のデジタルデータを長期保管するサービスを、IMAGICAを通して映像業界向けに提供する。

昨今、デジタルデバイスの普及に伴い、企業や大学、研究機関などが管理するデータの容量は爆発的に増加している。中でも映像業界では、4K(※1)映像の試験放送が開始されるなど、映像作品の高画質化が進み、データの大容量化が特に加速している。また、過去にフィルムで撮影した映画作品をフィルムの状態に応じて修復し、デジタル化して撮影当時の映像に復元し、後世まで美しく残す取り組みも進んでいる。それに伴い、大容量の映像作品のデジタルデータを効率的に長期保管したいというニーズが高まっている。

このような市場背景の中、富士フイルムは、映像作品や企業の研究データなど長期保管が必要な貴重なデータを顧客から預かり、同社のコンピュータ用磁気テープ「LTO Ultrium 6 データカートリッジ」に記録して長期保管するデータアーカイブサービス「d:ternity」(ディターニティ)を2014年4月より開始した。このサービスは、記録媒体に常時通電の必要がない磁気テープシステムを使用することで、HDDを使用した場合に比べて、コスト優位性のある(※2)サービス提供を可能とした。また、富士フイルムの「LTO Ultrium 6 データカートリッジ」は、磁気特性・長期保存性に優れた独自の「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」を用いており、長期保存後も、安定してデータを読み出すことができる。

IMAGICAは、映像技術サービスのリーディングカンパニーとして、最新の4K映像作品をはじめとするポストプロダクション業務(※3)を行っている。また、過去にフィルムで撮影された映画作品をフィルムの状態に応じて修復し、デジタル変換して復元することで、作品を利活用したり保存するサービスを提供している。

今回の業務提携によって、顧客は、IMAGICAに撮影・編集などを依頼した高画質・大容量の4K作品のデータや、復元を依頼した過去のフィルム作品のデータを、富士フイルムのデータアーカイブサービス「d:ternity」で長期保管することが可能になり、映像作品の一連のライフサイクルにおいて、より便利にサービスを利用できるようになる。


※1:フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ映像規格。
※2:LTOシステムで28PB(ペタバイト)のデータを12年間保管した場合の、初期投資やメンテナンス費用、消費電力など全てを含めたコストはHDDの約26分の1(米調査会社Clipper Group 調べ)
※3:映像や音楽の編集、特殊な視覚効果の合成など、映像作品の撮影終了後に行う作業の総称

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:38| 知識