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2014年06月13日

【流通】三菱樹脂 稲わら等を屋外で乾燥しながら保管できる「乾っとシート」を本格販売

三菱樹脂は、21道府県で実施した実証試験において良好な結果を得られたことから、畜産粗飼料の稲わら等を屋外で乾燥しながら容易に保管ができる透湿防水性シート「乾っとシート」を2014年6月20日に本格的に販売する。

近年、国内畜産産業においては、畜産物の安定供給という観点から安心安全な乾燥稲わら等の国産粗飼料の生産が強く求められている。一般的に、畜産粗飼料の稲わらは、収穫後に圃場において含水率20%程度になるまで数日間天日乾燥し、ロール状にして倉庫に保管する方法、または倉庫が無い場合には、ロール状の稲わらをポリエチレン製のストレッチフィルムで一つひとつラッピングした後に屋外で保管されている。しかしながらこの方法では保管倉庫の不足や、ラッピングの手間がかかることに加えて、長雨の影響で乾燥期間が確保できず、乾燥が不十分な状態でロール化して保管することによる稲わらの腐敗やカビの発生などの課題があった。

三菱樹脂の開発した「乾っとシート」は、天日乾燥して含水率を30%程度にした稲わらロールを屋外の地面に置いた樹脂製パレットの上に積み上げて、それらをまとめて被覆し、屋外で乾燥させることができる。微細な多孔質のポリエチレンフィルムを不織布等で挟む構造のため、雨などの水分はシート内部に通さず、稲わらに含む水蒸気はシートを通して屋外へ効率的に放出することができる。この特長により、通常、5〜7日程かかる天日乾燥工程を約2日に短縮できるため、長雨に対しても有効な対応策と考えられるほか、保管倉庫やラッピングが不要になるために、従来に比べて手間やコストの軽減に繋がる。さらに、霜降り肉に代表される高級和牛の餌となる乾燥稲わらは、保管倉庫等で半年から1年間保管し、β‐カロテンの含有率を低下させることが知られているが、同製品を使用する場合には、数か月程度で効果が表られるという実証結果を得た。

三菱樹脂は「乾っとシート」を全国の農業関係者に対して貢献できる製品として幅広くPRし、早期に事業拡大を図り、2016年度に約5億円の売上高を目標としている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:49| 流通