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2014年05月26日

【環境】トヨタ自動車 新素材SiCによる高効率パワー半導体を開発



トヨタ自動車は、デンソー、豊田中央研究所と共同で、新しい素材であるSiCによるパワー半導体の開発をした。
SiCとは、シリコンと炭素の化合物であり、ハイブリッド車(以下、HV)などの、モーター駆動力を制御するパワーコントロールユニット(以下、PCU)の部品として採用する。

PCUは、走行時においてバッテリーの電力をモーターに供給し車速を制御したり、減速時には回生した電力をバッテリーに充電するといった、重要な役割を担っている。しかし、PCUは、HVの電力損失の約25%を占めており、その大半がパワー半導体である。すなわち、HVの車両全体の電力損失の約20%は、パワー半導体によるものである。従って、パワー半導体の高効率化、すなわち、電流を流す時の抵抗を低減することは、燃費向上のキーテクノロジーのひとつである。
実際に、SiCパワー半導体を採用したPCUをHVの試作車に搭載し、5%を超える燃費向上が確認されている。

また、SiCパワー半導体には電流を流す時の抵抗や電流を流したり止めたりするオン・オフ時(スイッチング)の損失が小さいという特徴があるので、高周波化しても効率的に電流を流すことができる。このことにより、PCUの体積の約40%を占めるコイル、コンデンサの小型化も可能となる。
 今後、現在のシリコンパワー半導体よりも、HVの燃費は10%の向上、PCUは1/5の小型化を目指すとしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:20| 企業の取り組み 【機関別】