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2014年03月28日

【環境】トヨタ自動車と矢崎総業など 銅資源のCar to Carリサイクル技術を開発




 トヨタ自動車(以下:トヨタ)は、資源枯渇が懸念されている銅資源を使用したワイヤーハーネスについて、矢崎総業(以下:矢崎)と豊田通商、豊田通商取引の解体業者(以下:解体業者)と連携し、Car to Carリサイクル技術を世界で始めて開発した。

 銅資源は、残り可採年数40年程度(※1)と言われている中、新興国等で送電線などインフラ需要が増加しており、海外での消費量が増えている。一方、国内においても、今後さらに普及が見込まれるハイブリッド車等、モーターを活用する次世代車輌に多く使用されており、リサイクル促進が大きな課題となっている。

 今回開発した技術では、解体業者が取り外したワイヤーハーネスから新品の銅とほぼ同様に使用できる品質である、銅純度99.96%の素材を生産可能とした。

 通常、使用済みの車輌からワイヤーハーネスを取り外す際には、ヒューズボックス等、他の部品が付随し、これらが不純物となる為、再びワイヤーハーネスにリサイクルすることは、従来の機械式選別方法(※2)では不可能であった。そこで、トヨタ、矢崎、解体業者が協力して解体業者の前処理を含めた品質条件の確立等、技術開発を進めてきた。平成23(2011)年には、これまで除去しきれなかった微小な不純物の混入を防ぐ世界初の機械式選別方法をトヨタで開発。平成25(2013)年からは、トヨタの本社工場内に設置した実証ラインで再生銅の少量生産を開始し、矢崎で品質を評価した後、ワイヤーハーネス製造ラインに投入する事で実用化を実施、このほど安定的に生産できる見通しとなった。

 部品メーカー、解体業者が共同でリサイクル技術の開発とリサイクルシステムを構築したのは、今回が国内初となる。


※1・・・出展:独立行政法人 石油ガス・金属鉱物資源機構「銅の需給動向」
     H25(2013)年1月31日
※2・・・シュレッダーでハーネス線の被膜を取り、比重選別と言われる重さの違いでアルミ等の軽い金属を取り除き、また磁力で鉄を取り除き、最後に細かい異物を色で選別する方法

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:12| 企業の取り組み 【機関別】