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2013年11月25日

【アジア】リコーなど インドでBOP向け教育サービス事業の準備調査を実施

 リコーと、世界と日本の子ども支援を行っている国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)がパートナーシップのもとに行う、インドのBOP(*1)向け教育サービス事業の準備調査が、独立行政法人国際協力機構(JICA)のBOPビジネスを支援する枠組み「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)(*2)」に採択された。デリー、ビハール、アンドラ・プラデーシュの3州で、2年間の予定で調査を開始する。

 同調査は、インドのBOP層における教育の質の向上を目的とした教育サービス事業の事前調査。リコーのプロジェクターを活用して、映像と音声のマルチメディアコンテンツなどにより、子どもたちが理解しやすく、教える大人たちにも扱いやすい教育システムの提供を目指す。この2年間で、リコーの現地販売会社であるRicoh India Ltd.と連携して、市場調査や製品開発に向けた調査等を行う。また、現地の教育省、学校、コミュニティと強いネットワークを有するセーブ・ザ・チルドレン・インディアと連携して、教員研修等を含めた教育現場のニーズ把握のための調査を実施し、教材開発及び一部の取り組みを試行する。

 現在、インドのBOP層の教育現場では、(1)インフラや学習環境、(2)教育の質(暗記・試験方式が主流の教授法)、(3)教員研修システムとサービス、(4)教育の質の低さによる学習到達度の低さ、(5)カーストや男女差別、体罰、児童労働、早婚などの子どもを取り巻くインド特有の文化・社会的環境において多くの課題が挙げられる。
 これらについて、リコーとSCJは、2年間の協働調査・試行を踏まえて、リコーの製品をはじめとするリソースを活用した課題解決に留まらず、様々な企業、組織のノウハウ(技術、コンテンツ、手法、キャラクター)を活用して、業界の枠や国境を超えた「エデュケーション・エコシステム(*3)」ともいうべき教育ソリューションの提供を目指す。

 持続的な発展に役立つ新しい価値を世の中に提供し、社会の課題を解決することは、企業の責任であると同時に、市場のニーズでもある。リコーは、持続可能な社会の実現に向けて、社会とともに成長する企業を目指す。また、SCJはこのような企業との連携を通じてBOP層の子どもたちの最善の利益のため、一層充実した支援事業の展開を目指す。

 (*1)BOP:
  Base of the Pyramidの略。年間3,000ドル未満で暮らしている貧困層を指す。開発途上国の貧困層および社会や開発プロセスから除外されている状態にある人々が抱えるさまざまな課題に改善をもたらしうるビジネスを「BOPビジネス」と呼ぶ。

 (*2)JICAの「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」:
  民間企業等の主体的な提案に基づき、開発課題の解決に寄与するBOPビジネスのビジネスモデルの開発や、JICAが連携しつつ行う協力事業の可能性を検討することを目的として行われるもので、今回は65件の応募の中から、11件が採択された。

 (*3)エコシステム:
  複数の企業が商品開発や他の事業活動などで協業し、業界の枠や国境を超えて、互いの技術や資本を生かしながら、広く共存共栄していく仕組み。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:03| アジア