<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2012年11月21日

【流通】日立製作所 唾液分泌量に相関する血液量変化の計測技術を開発

日立製作所と日立国際電気サービス(以下:HS)は、唾液の分泌に応じて血液量が変化する様子を計測する製品を開発した。この製品は、脳内の血液量の変化を計測する光トポグラフィ技術を応用しており、より日常に近い環境で計測することができる「ウェアラブル光トポグラフィ」シリーズの新製品として、WOT−S20をラインアップに追加した。同製品は、HSが設計、製造、品質保証を行い、日立製作所が販売を担当する。飲食料品関連企業や大学などの研究機関向けに非薬事品として受注を開始した。

従来、唾液分泌量を計測する方法は、唾液をビーカーに吐き出す方法、口内に脱脂綿を入れ重量計測を行う方法や、唾液腺に管を挿入し、直接計測する方法など計測時に被験者に負担がかかっていた。今回の製品では、顔の側面の唾液腺(耳下腺)近辺に専用センサーをあてることにより、少ない負担で簡単に計測することが可能になる。リアルタイムに計測する血液量の変化を活用することで、例えば飲み物を飲みながら計測できる。今後、主観評価だけではなく生体反応による客観的な味覚評価・マーケティングを実施したり、ドライマウスに関連した研究開発分野などにおける新たな活用が期待される。

これまで日立製作所は、微弱な近赤外光を頭皮上から照射することで、脳内の血液量変化を無侵襲で計測し画像化する技術である光トポグラフィ法の研究を行ってきた。光トポグラフィ法は、より日常に近い状況の中でも脳内の血液量変化を計測できるという特長があり、同社では、これらを生かして脳活動を計測するため、小型化・携帯化の技術開発を進めてきた。また、新たな用途に展開する可能性を探究しており、今回の唾液の分泌に応じて血液量が変化する様子の計測法の開発はこの活動の一環で見出した。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通