<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2012年11月20日

【知識】味の素と韓国ジェネクシス社 バイオ医薬品製造用培地事業の合弁会社設立

味の素は、韓国・ジェネクシン社(Genexine Co., Ltd)との合弁により、味の素ジェネクシン社を設立することに合意した。新会社は、2012年11月中に設立される見込みであり、2014年上期よりバイオ医薬品(※1)の生産に用いられる動物細胞用培地(以下:培地)の現地生産・販売を開始する予定にしている。

味の素は、高純度アミノ酸の生産技術を活用し、1987年より動物細胞の培養に用いる無血清培地(※2)の販売を開始、生物学の研究やバイオ医薬品の生産など幅広く使用されている。近年の世界的なバイオ医薬品市場の拡大に合わせて、培地の需要も急速に拡大している。

味の素は培地の市場拡大に対応するべく、既存の培地供給体制に加え、新たにアジア最大の培地の消費地である韓国に生産・販売拠点を持つことで、市場ニーズに応じた培地の安定供給体制の確立と培地事業基盤の強化を行い、さらにアジアを中心とした新規需要の獲得を目指す。

ジェネクシン社は、バイオ医薬品の研究・開発を行っているバイオベンチャー企業であり、味の素は2011年3月より、バイオ医薬品の生産に用いられる動物細胞用培地の共同開発を行ってきた。新会社においてはジェネクシン社のバイオ医薬品の開発ネットワークと、味の素グループの長年にわたるアミノ酸研究で育んだ技術を活かし、市場ニーズに応じた培地の供給体制の確立を目指す。


※1 バイオ医薬品
遺伝子組み換え技術で、人体の免疫反応などに作用する医療用医薬品の総称
異物を排除する免疫機能を応用した抗体医薬品が代表的で、がんやリウマチの治療薬などがある
 
※2 無血清培地
細胞の培養には、アミノ酸やビタミン、糖分などの栄養素の他に、微量なミネラル類など数十種類にわたる成分が必要となる。培地は、生体内に近い状態を作り出すために、血清と呼ばれる血液の成分の一つが用いられていたが、昨今のバイオ医薬品の生産には、安全性や安定生産の目的で、血清を使用しない無血清培地が主に使用されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識