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2012年11月07日

【知識】双日とAbengoa Water ガーナで海水淡水化事業

双日は、アフリカ・ガーナ共和国の首都アクラ、ヌングア地区において、スペイン水事業大手のアベンゴアウォーター社(Abengoa Water)と共同で海水淡水化事業に参画する。プロジェクトの総事業費は約1億3000万ドル(約100億円)で、MIGA(世銀グループの多国籍間保証機関・本部ワシントン)の非常危険保険を利用したプロジェクトファイナンスで調達する。

2014年予定の商業運転により、最大1日当たり60000m3、約50万人分に相当する飲み水を供給することが可能になる。造水した水は、ガーナ水公社(GWCL社)に25年間の長期売水契約に基づき販売し、長期安定的に飲料水を供給する。同案件の特徴として、サブサハラ地域初の海水淡水化事業であると共に、アフリカにおける日本企業初の海水淡水化事業投資であり日本企業のサブサハラにおけるインフラ事業投資案件の先駆けとなる。

メインパートナーとなるアベンゴアウォーター社は世界中で合計100万m3/日以上となる海水淡水化プラントを建設、運営している水メジャーで、双日とは昨年10月からアフリカ、米州を中心とした海水淡水化事業を共同開発することを目的とした戦略的提携関係にあり、更なるビジネス展開を目指す。

ガーナ共和国は、アフリカで最も政治的に安定している国の一つであり、鉱業(金)や農業(カカオ・木材など)を主要産業として、過去5年間ほぼ毎年5%前後の経済成長を続けている。また、2010年12月には同国初となる石油生産(約7万バレル/日)が開始されており、その随伴ガスを利用した発電や肥料プロジェクトの推進も計画されている。一方で、国民2400万人のうち400万人は首都・アクラ周辺に集中しており、水の需要(一日当たり約80万m3)に対し、供給(一日当たり約40万m3)が追いついておらず、国全体では国民の約4割は安全な飲み水が確保できていないという問題を抱えている。2010年末にはガーナ各地でコレラが発生し、安全な水の確保がさらに急務となっている。

水ビジネスの世界市場規模は、2007年の約36兆円から2025年には約87兆円と2倍以上に拡大する見通しで(出典:Global Water Intelligence及び経済産業省試算)、その中でも特に海水淡水化分野においては、アジア・大洋州や中南米および中東・アフリカ地域を中心として、約1.2兆円から3倍以上の約4.4兆円に成長する分野として期待されている。

双日は、アフリカを重点戦略地域として定め、アフリカでの事業開発を目的とした戦略要員をロンドン、ドバイ及びアフリカ各地に派遣しており、アンゴラでのセメントプラントおよび肥料プラントなどで実績を有している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識