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2012年09月25日

【流通】焼却飛灰からの放射性セシウム除去技術を開発

DOWAホールディングス子会社のDOWAエコシステムとDOWA エレクトロニクスは、東京慈恵会医科大学との共同研究において、焼却飛灰から水溶性の放射性セシウムを除去する材料およびプロセス(以下:同技術)を開発した。

原子力発電所の事故の影響を受けた生活廃棄物などを焼却して発生する焼却飛灰には、放射性セシウムが濃縮されることが分かっている。放射性セシウムを含む廃棄物については環境省から、放射能濃度が8,000Bq/kg以下の廃棄物は管理型最終処理施設において埋立処理が可能という基準が示されており、今回の共同研究では、焼却飛灰の放射能濃度をさらに低減することが出来る技術を開発した。

同技術では、磁性粒子の表面をフェロシアン化物で被覆した「磁性除染剤」を、水と混合した焼却飛灰に加えて、水に溶け出したセシウムを除染剤に捕集させた後、磁力を用いてセシウムを吸着した除染剤のみを回収することが出来る。今回開発した「磁性除染剤」は、フェロシアン化物をセシウム吸着剤に用いることで、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどの塩類が共存する条件下においても、他の吸着剤に比較して、高いセシウム吸着性能を発揮する。また、除染剤を磁石で回収しやすい磁性体に仕上げることで、セシウムを吸着した除染剤のみを容易に分離・回収できる。同技術により、焼却飛灰中の水溶性セシウムを効率的に除去(※)することが可能となり、放射性セシウムの安定管理へ貢献できるとしている。

※ 実証試験では、放射性セシウム濃度を3,800Bq/kgから1,500Bq/kgへ低減したことを確認

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通