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2012年07月02日

【流通】凸版印刷と慶大 「記憶に残る」情報提示のあり方を脳科学の知見に基づき共同研究

凸版印刷消費行動研究室と慶應義塾大学文学部心理学専攻の梅田 聡准教授は、脳科学・心理学の知見や実験手法を活用した、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス上で人の「記憶に残る」、「感情に訴える」情報提示のあり方を調べる共同研究を開始する。

具体的には、スマートデバイス上に表示されるカタログやパンフレット、アプリケーションなどを閲覧中の利用者の生体情報を、記憶の脳内メカニズムに基づき、認知神経科学の手法で計測し、その結果からコンテンツに対する利用者の記憶定着の程度を評価する。また従来の紙のカタログやパンフレットでの情報提示との比較も行うことで、電子メディアと紙メディアの相違点や共通点を調べる。

これらの研究を通じて、両者は人間の情報処理における論理性や感情の影響などを明らかにし、その成果を、スマートデバイスを使ったコミュニケーションをより分かりやすくすることに活用していく。また、急速に普及するスマートフォンやタブレット端末などで、脳活動の視点に基づいた「記憶に残る」、「感情に訴える」情報提示の実現を目指す。

凸版印刷消費行動研究室は、同共同研究を活用し学術的な知見や計測手法に基づいた次世代の「生体反応マーケティング」のサービスを開発し、2013年度に提供を開始する予定にしている。また凸版印刷は、教育コンテンツや消費者への販促情報の提供を行う企業をターゲットに提案活動を実施する。

近年、スマートフォンやタブレット端末など、新しい電子メディアの利用者が急速に増加しています。これに伴って各種コンテンツとして、雑誌やカタログ、広告など紙メディアから電子メディアへの移行や、これらのデザインの多様化が進んでいます。しかしながら、両メディアの違いが人の視覚や心理、さらには脳に与える影響の違いは、必ずしも科学的に明確化・形式知化されておらず、このことは電子メディア上でのコンテンツ制作における大きな課題の一つでした。

このような課題認識のもと、凸版印刷・消費行動研究室と慶應義塾大学 梅田准教授は、2011年11月より、応用脳科学コンソーシアム(※)での活動を通じ、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスでの最適な情報提示のあり方を、脳科学や認知心理学の視点から検討してきた。その結果、脳の記憶定着のメカニズムに基づいた生体計測を行うことで、これらの情報提示のあり方を評価・検証することが重要であるとの認識を共有し、この度の共同研究を開始する。

※ 応用脳科学コンソーシアム
NTTデータ経営研究所が日本神経科学学会の協力のもと設立した、我が国最大規模の脳科学に関するオープンイノベーションモデルのコンソーシアム。30社を超える異業種の民間企業と異分野の研究者が一堂に会し、脳科学およびその関連領域の最新の研究知見を基盤に、多彩な研究テーマに基づいて、将来の事業活用を目指した研究活動や人材育成を進めている。

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投稿者:gotsuat 11:25| 流通