<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2012年06月14日

【知識】科学技術振興機構とジー・サーチ 文献情報提供サービス移管に関する契約を締結

科学技術振興機構(JST)とジー・サーチは、JSTの文献情報提供事業に係る提供業務をジー・サーチに移管する契約を締結した。同契約が締結されたことにより、現在JSTが提供しているJDreamをはじめとする文献情報提供サービスは、平成24(2012)年度末からジー・サーチにより行われる。

JSTは平成22(2010)年4月26日に実施された、政府の事業仕分け対象機関となり、JDreamサービスを含む「科学技術文献情報提供事業」は「事業の実施は民間の判断に任せる」との判断が下された。また、同年12月に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」では、「科学技術文献情報提供事業については、平成23年度中に引受け手となる事業者の選定を開始し、平成24年度中に民間事業者によるサービスを実施する」ことが記載された。これを踏まえ、JSTでは「科学技術文献情報提供事業に係る提供業務の事業者公募」を実施し、その結果、ジー・サーチが優先交渉権者として選定され、この度、事業契約を締結した。同契約により移管されるサービスは以下の通り。

●移管対象(ジー・サーチが提供するもの)
・JDream(※1)
・科学技術文献速報(※2)
・SDI(スタンダードSDIサービス、リクエストSDIサービス ※3)
・解析可視化サービス(AnVi seers ※4)

JDreamをはじめとするJST 文献情報提供サービスは科学技術情報の調査・分析に必須の情報源として、企業の研究開発、特許調査の現場の他、大学、病院などで広く利用されている。移管に際しては、両者協力の上、データの網羅性、継続性および品質の維持に努め、これまでのJDreamのサービス水準や機能性を確保しつつ適正な料金設定で提供する。

その上で、ジー・サーチが提供する国内外の学術文献情報、特許情報、専門紙誌、企業情報、ドキュメントデリバリサービスと融合することにより、ユーザーの利便性や付加価値を向上させて、新たなオープンイノベーションに貢献するサービスを目指す。一例として、特許情報と学術文献情報を融合した解析可視化サービスやビジネス情報と学術文献情報を融合したトレンド解析などがあげられる。個々の情報源を単に組み合わせるだけではなく、全く新たな視点で解析を行うことにより、イノベーションに結びつく研究活動のあり方について、新たな知見が得られるものと期待される。

また、民間情報提供会社との連携を強化し、特許情報サービス、科学技術情報提供サービス、インハウスの情報管理システムなどへのデータ提供やシステム連携を進め、顧客指向のJDreamデータ活用のオープンモデル化を推進する。

※1 JDream(ジェイドリーム)
JSTが作成、提供する科学技術や医学・薬学関係の国内外文献情報を手軽に検索できる日本最大のデータベースサービス。外国語文献でも日本語で検索・閲覧できるため、容易に情報が収集できる。収録文献は5,800万件で、科学技術の全分野にわたり網羅的に収録しており、学協会誌(ジャーナル)、会議・論文集/予稿集、企業技報、公共資料などを情報源としています。日本国内の利用の多いオンラインサービスで科学技術分野第1位、オンラインサービス全体で第3位(出典:電子情報サービス2008)になるなど高い評価を得ている。

※2 科学技術文献速報
科学技術文献速報(略称:文速/Bunsoku)は、JSTが収集している科学技術資料から、年間約100万件におよぶ文献の最新記事データや要約を分野別にまとめて迅速に日本語にて提供する総合抄録誌。提供の形態は冊子体、PDF版、Web版の3種類

※3 SDIサービス
希望のテーマの最新文献情報を定期的に検索して届ける情報の予約提供サービス。月2回、特定のデータベースを検索して回答するサービスで、あらかじめ用意されている700以上のテーマの中から選ぶスタンダードSDIと顧客に合わせてオーダメイドで検索式を作成するリクエストSDIの2種類

※4 解析可視化サービス(AnVi seers)
AnVi seers(アンビ・シアーズ)は科学技術文献データの解析可視化を行い6パターン、37種類のグラフ・マップでお届けするサービス。研究動向・技術トレンドが瞬時に把握できる

■関連ニュース
【流通】JST 粘菌の輸送ネットワークから都市構造の設計理論を構築
(2010年01月29日)
【流通】富士通と名大など 世界初!過信状態を声の高さと大きさを基に検出する技術を開発
(2012年03月21日)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識