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2012年05月21日

【流通】住友化学とIVCC 新しいタイプのマラリア予防用防虫剤処理蚊帳を開発

住友化学は、IVCC(※)と共同で、ピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊に対しても効果を発揮する、新しいタイプのマラリア予防用防虫剤処理蚊帳「オリセット(R)デュオ」を開発した。

現在、世界では、毎年約2億人がマラリアを発症し、約65万人が亡くなっているとされている(数値は推定)。マラリアは、マラリア原虫に感染した蚊に刺されることにより人に感染するため、経済的かつ効果的な予防手段として、防虫剤で処理された蚊帳の使用が推奨されている。蚊帳の普及が進んでいる地域ではマラリアの罹患率が低下するなど、その効果は既に実証されているが、一部の地域では、現在防虫剤処理蚊帳に広く使われているピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊の発生が、確認され始めている。

住友化学は、かねてより独自技術により開発し、2001年には「世界保健機関」(WHO)から世界で初めて「長期残効型蚊帳」として承認された「オリセット(R)ネット」を、マラリアが多く発生するアフリカなどの地域を中心に広く販売し、マラリアの感染防止に大きく貢献している。また、ピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊の発生に対する問題を解決するため、2011年からは、IVCCと共同で、新しいタイプの蚊帳の開発に取り組んできた。同社は共同開発した「オリセット(R)デュオ」について、WHOから長期残効型蚊帳としての承認が得られ次第、販売を開始する予定にしている。なお、同社はIVCCと共同で、マラリアを媒介する蚊に対して有効な新規薬剤の開発にも着手しており、抵抗性を有する蚊の発生の問題克服に向けて、蚊帳とともに薬剤散布も加えた総合的な対策を、一段と進展させていく。

※ IVCC(Innovative Vector Control Consortium)
  イノベーティブ ベクター コントロール コンソーシアム
画期的な製品の開発を通じて蚊が媒介する疾病(マラリア、デング熱、デング出血熱等)の感染を減らすことなどを目的として、2005年に「ビル アンド メリンダ ゲイツ財団」の支援を受けて設立された非営利団体で、製品開発に取り組む企業に対して、資金拠出や製品評価などの支援を行っている

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※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通