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2012年04月18日

【知識】アンジェスMGとバイオリーダース 高血圧治療用経口ワクチンで共同研究開発に基本合意

アンジェスMGは、韓国のBioLeaders Corporation(以下:バイオリーダース)と新たな高血圧治療用経口ワクチンの開発を目指して、共同研究開発契約に基本合意した。

高血圧治療ワクチンは、日中の収縮期血圧を下げ続ける新しい治療法として注目を浴びている。特に、アンジオテンシン(Ang)II、AngIやAng受容体に対するペプチドワクチンでその有効性が示されてきたが、従来のペプチドワクチンでは、副作用や持続期間が短いなどの課題が指摘され、実用化には至っていない。そのような中、世界で初めて大阪大学で開発されたAngIIを標的とした高血圧DNAワクチンは、高血圧モデル動物において副作用がなく、ペプチドワクチンと比してより長期間の降圧効果を示すなど将来的に有望な治療薬として期待されている。

一方、バイオリーダースは、世界で初めて乳酸菌ディスプレイ技術を利用して、乳酸菌をキャリアとした安全な経口剤タイプのワクチン化技術を開発してきた。アンジェスMGが開発を進めている子宮頸部前がん治療ワクチンはそのひとつ。今回、大阪大学で確立した高血圧DNAワクチンの基盤技術を応用し、AngII抗原を乳酸菌表面に効率よく提示させることで乳酸菌をキャリアとした有効性が高く安全な経口ワクチンの開発を目指す。

高血圧は代表的な生活習慣病であり、国内患者数は3500万人を超えている。IMSジャパンによると、国内の主要薬効別売上高では高血圧治療薬が最大であり、2007年から4年連続で1兆円を超え、その中でもAngII受容体阻害薬は5700億円を占める巨大市場を形成している。アンジェスMGは、乳酸菌を活用した高血圧治療用経口ワクチンを開発し、高血圧患者の血圧コントロールや高血圧予防用ワクチンとしての可能性を検討することで実用化を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識