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2012年04月12日

【流通】東邦レオ 団地の桜並木を対象に樹木医「公開」健康診断パッケージ開発

東邦レオは、桜並木があるマンション・団地の管理組合を対象に、樹勢衰退の症状や腐朽による倒木の危険性を把握・改善するための「樹木医による公開健康診断サービス」を首都圏で開始する。

春を代表する樹木として日本人の心に深く根ざしている「桜」。公園や河川、街路樹といった公共空間のほか、マンションや団地における共用部にもシンボル樹として数多くの「桜」が植栽されている。都市部の「樹木」の多くは植栽面積が狭く、また歩行者による踏圧や舗装工事に伴う重機の圧力によって周囲の土壌が固く締まっている。特に「桜」は根が地表近くに多く発達するため影響を受けやすく、花見シーズンに人が大勢踏み込む環境下では、根は通気性の良い場所を求め、道路の縁石や舗装を持ち上げる「根上がり」を起こすほか、生育不良になる。

東邦レオでは社内16名の樹木医を中心に、桜の生長を維持しながら根上がりを防止する技術開発を行うなど、30年に渡り公共の桜並木に関するサポートを行ってきた。

1970年代から本格的に開発がスタートしたマンション・団地分野においても、植栽された「桜」が樹齢40年を越え、『花つきが悪くなった、幹に穴が空いている、根元からキノコが生えている』など樹勢が衰退している症状や腐朽により倒木の危険がある樹木も出始めている。植栽後10年から20年を超える桜並木になると病気の初期症状が現れやすくなる。桜の花を「長い年月」咲かせるためにも早い段階からの十分な病気予防とケアが必要とされる。

公共空間の「桜」では公園課・街路樹課など行政の専門部署が管理を行う一方、居住者が主体となるマンション・団地分野においては、問題発生時に管理組合が「住民の合意形成」を図りながら、樹勢回復や延命治療、更新(植替え)などの方向性を示す必要性がある。しかし敷地内の「桜」が今どういった生育環境にあり、どのような課題を抱えているか、また対処方法の決定について客観的に情報を把握することは現状では難しい。

生活を共に過ごしてきた愛着のある桜並木を残し、これからも一緒に楽しみたい。また根上がりによる転倒の防止や、台風による倒木の不安を解消したいといった切実な声がこれまで数多く寄せられている。そこでマンションの居住価値向上とコミュニティ形成に特化した植栽管理サービス(クリエイティブ・グリーン)を展開する東邦レオでは、10年以上の桜並木があるマンション・団地の管理組合を対象に、スムーズな「合意形成」の支援を念頭においた樹木医による公開型健康診断パッケージを開発した。

今回の樹木医による健康診断パッケージは、居住者向けに公開樹木診断として開催することを基本にしている。まず対象とする桜を目視により選択し(診断本数は2本が基本パッケージ)、体表に現れている症状を診察するほか、精密診断機器などによる樹木内部の腐朽状況を測定。桜並木全体の樹木診断の必要性を検討する基礎資料として、結果を診断カルテにまとめ報告する。居住者への先行的な情報発信や議論の場の設定などが積極的に求められる今、科学的で分かりやすい診断データに基づき、住民同士で合意形成を図ることができる。課題対処のための技術提案も別途行うことができる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通