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2012年04月06日

【流通】富士通研究所 人から学習し自動的に能力が高まる文章校正技術を開発

富士通研究所は、文章の校正作業において、人が校正した文章の履歴を使って、文章校正を自動的に行う技術を、業界で初めて開発した。これにより、校正履歴が蓄積されるに従って校正能力が自動的に向上する文章校正システムが実現できる。同技術により、近年、オフショア開発の拡大に伴い増加する、開発受注先の外国人によるプログラム仕様書など日本語文章の執筆作業において、その品質を向上させることが可能になる。今回、中国語ネイティブが作成する日本語文章に対して、1万件の校正履歴を用いた自動校正を実行したところ、約80%の誤りを修正できることを確認した。オフショア開発のほか、企業内や特定業種に向けの校正作業などにおいても、低コストかつ短期間で高い校正精度を確保することが可能となる。

企業のグローバル化にともない、中国を中心にオフショア開発が増加しており、開発受注先の外国人によるプログラム仕様書の執筆など、日本語文章の執筆機会が増えている。しかし、外国人にとって日本語の執筆は容易ではなく、「て」「に」「を」「は」などの助詞の誤り、用語の使い方の誤りなどがしばしば発生する。この問題に対処するため、納品を行う前に日本人による校正作業を行う必要があり、多大な時間を費やしている。オフショア開発の現場においては、このような校正担当の日本人の仕事を代替してくれるような、なおかつ、外国人執筆者自身が効率的に校正できる日本語校正支援システムが求められていた。

これまでも、文章作成において文章の誤りを指摘したり、正しい語句を提示するような文章校正支援技術や製品が開発されている。これらには、不適切な単語や置き換えるべき表現を事前に辞書登録しておき、原文と辞書の表記がマッチした部分を正しい語句に置き換えることで文章校正を支援する手法が用いられている。しかし、辞書の追加やメンテナンスに継続的な工数がかかるうえ、検出できる対象が無条件に文字列置換えができるものに限定されるなどの制約があった。このため、一つの文章の中に複数の誤りが存在するような対象、例えば、「梅雨は雨を降ります」といった文章を修正するには、「梅雨の雨」のほか「春の雨」、「夏の雨」、「秋の雪」、「春の雪」など、あらゆる組み合わせを登録する必要があり、対応が困難だった。そこで、校正担当者のように幅広い表現に対応することができ、かつ、低コストで運用できる文章校正技術の開発が課題となっていた。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通