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2012年04月05日

【知識】住友商事 イタリア・シプカム社と欧州における戦略的資本提携

住友商事は、農薬販売事業会社Sumi Agro Europe Ltdとイタリア大手農薬製造販売会社Sipcam S.p.A.(以下:シプカム社)にて、それぞれ新規に設立する事業持ち株子会社Sumi Agro Limited(以下:SAL社)およびSipcam Europe S.p.A.(以下:シプカムヨーロッパ社)の発行済み株式10%を相互取得し、オペレーションを開始した。

SAL社は、フランス、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、チェコ、スロバキア、ブルガリアおよびドイツの事業を統括し、シプカムヨーロッパ社は、イタリア、スペイン、ポルトガル、英国、ギリシャおよびベネルクス諸国の事業を統括する。今回の資本提携により、両社にて共通の拠点を構築することで欧州農薬市場の面展開を図り、欧州主要市場全域において農薬・肥料・種子の開発・登録・販売をより強化する。また、パートナーへの包括的機能(開発、登録、販売等)を提供することで、両社の商品ラインナップを拡充する。

欧州農薬市場は世界全体の3割弱の115億米ドル、なかでも中東欧市場および南欧市場は合わせて71億米ドルと欧州においては重要市場で、また欧州の農薬登録も、従来の各国登録からEU27統一制度へ変更(※)となっており、EU全域をカバーする必要性・重要性が高まっている。その背景の中、本資本提携を通じ、両社で事業拡大を目指す。

住友商事の農薬事業は、日本メーカー製品・商品の輸出から出発し、海外20カ国以上に輸入卸売り事業さらには農業資材販売会社の設立を行うなど、バリューチェーンを拡大してきました。シプカム社との提携により世界的大市場である欧州地域での販売体制を整備することで、世界における事業拡大と食の安定供給への貢献を目指す。

※「各国登録からEU27統一制度へ変更」
従来は、各国の独自ルールに基づく農薬登録のみを取得していたが、EU発足・加盟後、EU27カ国で統一するEU農薬登録の取得が義務付けられている。農薬の有効成分が同EU登録で認可されていなければ、製品の登録・販売が出来ないという厳格なルール

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識