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2012年02月27日

【流通】セントラム(富山市路面電車)でスマートICTを活用した価値創生に関する実証実験

ITホールディングスグループのインテックと富山大学の大学院理工学研究部メディア情報通信研究室は、総務省による平成23年度戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE *1)で採択された研究課題「富山LRT(*2)におけるスマートICT(*3)を活用したバリュー創生の研究開発」の実証実験を、富山市内の路面電車環状線を走る車両(愛称、セントラム)で、2月22日(水)から開始した。

同研究課題では、ICTを用いて街中の賑わいを創出することを狙いとし、近い将来のM2M(*4)普及に備えて街中のさまざまな場所でICT機器を利用できるようにすることで生活者の利便性向上を検証することを目的とする。2011年度(平成24年3月31日まで)は、富山市、富山地方鉄道、まちづくりとやまの3つの組織の協力をあおぎ、以下のような実証実験を行う予。

1 セントラム車輌内に独自に開発したデジタルサイネージシステムを設置し、沿線店舗の広告を運行位置に合わせてタイムリーに表示する。セントラムが1周する軌道を4つの区間に分割し、2011年度は協力3組織からの発信情報に限定して、区間に応じた広告を表示し、どのようなタイミングで表示することが広告として有効か検証する。

2 セントラムの乗客が、スマートフォンを使って街中に隠れているキャラクタを探すゲームを行う。このゲームは、AR(*5)表示技術を用いる。セントラムという路面電車内での利用を想定し、高速に動いたり止まったりする車窓から風景を認識することや、登録されている場所に正確にキャラクタ等の情報を表示する技術を検証する。

3 スマートフォンに、セントラムの走行位置など運行状況に関する情報をリアルタイムに提供する。また、現在地から最寄りの電停までの経路を適切に案内する経路ナビゲーションシステムの実験も行い、電車に乗り遅れることなく、待ち時間を有効活用できるようにする。提供される位置情報の精度や利用者の使い勝手の観点からシステムの有効性と操作画面の使いやすさなどを検証する

※1 戦略的情報通信研究開発推進制度 (Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme:SCOPE)
同制度は、情報通信技術(ICT)分野の研究開発における競争的資金制度。総務省が定めた戦略的な重点研究開発目標を実現するために、ICTにおけるシーズの創出、研究者や研究機関における研究開発力の向上、世界をリードする知的財産の創出、国際標準を獲得することなどを目的として、新規性に富む課題の研究開発を委託する。

※2 LRT (Light RailTransit)
日本語訳は、軽量軌道交通。富山市では、富山市路面電車(愛称:セントラム)に加え、富山ライトレール(愛称:ポートラム)も運行している

※3 ICT(Information and Communication Technology)
情報(Information)と通信(Communication)に関する技術の総称。ICT機器とは、コンピュータやネットワークだけでなく、センサやネットワークに接続されるさまざまな機器を想定している

※4 M2M(Machine to Machine)
センサとコンピュータ等、多数の機械と機械がネットワークを介して直接通信することで、より高度なサービスを提供するようになると考えられている

※5 AR(Augmented Reality)
日本語訳は、拡張現実感。カメラで取得された映像データに、コンピュータで生成されたバーチャルな情報を合成して表示する技術

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通