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2012年02月14日

【流通】パナソニックとガス3社 停電時に自立運転可能なガスエンジンヒートポンプ開発

東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス3社とパナソニックは、発電機能が付いたガスエンジンヒートポンプ「ハイパワーエクセル」に停電時にも運転ができる機能を付加した「GHPエクセルプラス」を開発した。ガス3社とパナソニックは、2012年4月1日から受注を開始する。停電時にも運転が可能なガスエンジンヒートポンプ(以下:GHP)の商品化は日本で初めて。

GHPは、ガスエンジンでコンプレッサーを駆動し、ヒートポンプによって冷暖房を行う空調システムで、その中でも「ハイパワーエクセル」はエンジンでコンプレッサーと小型発電機を駆動することで空調と発電を同時に行うことができる。発電した電力は、本体の室外機で使用する電力を全て賄うとともに、建物内の室内機や照明用に利用することができ(※)、系統電力からの電気購入量を低減することができる。しかしながら、発電機能を有しない他のGHPと同様、起動時にはエンジンなどを動かすことに系統電力を必要とするため、停電時は運転ができない仕組みになっていた。

GHPエクセルプラスは、冷房能力56kW(20馬力)、最大発電容量3.95kWの「ハイパワーエクセル」にバッテリーを内蔵したもので、通常時に同製品が発電した電力や系統電力をバッテリーに蓄える。停電などにより系統電力からの電力供給が停止した場合には、ユーザーが「自立運転モード」に切り替えることで、バッテリーに貯めた電力を放電し、エンジンを起動、最大3kWの発電を行なう。また、発電した電力を使い、冷暖房が可能になるとともに、最大0.7kWを予めユーザーが選択した照明に利用することができる。起動後は、系統電力からの電力供給を受けずに、自立的に運転を継続することができる。

東日本大震災を機に、停電時にも空調や最低限の照明は継続して使いたいという要望が、病院、老人福祉施設、賃貸オフィスなどを運営・管理するユーザーを中心に急速に高まったことを踏まえ、ガス3社とパナソニックは製品を開発した。

※ 系統連系(発電設備を電気事業者の商用系統に連系し、電力を消費する設備・機器に対して電力供給を行うこと)をした場合

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通