【知識】植物由来原料のリチウムイオン二次電池向けハードカーボンを共同開発・事業化
リチウムイオン二次電池（ＬｉＢ）の負極材「ハードカーボン」の新規品の共同開発を進めていたクレハ、クラレが、植物由来原料の新規開発品「バイオカーボトロン」の共同事業化に向けて合意した。２０１２年春を目処にクレハと伊藤忠商事の合弁による電池材料事業会社であるクレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン（以下：ＫＢＭＪ）にクラレが資本参加・人材投入するとともに、ＫＢＭＪ とクラレグループのクラレケミカルの生産合弁会社を新設し、２０１３年には年産１ 千トンレベルで量産・供給体制を構築することで基本合意した。
クレハは、ピッチ系ハードカーボン『カーボトロン（Ｒ）Ｐ』を事業化しており、その特性である充放電特性と耐久性が評価され、産業用や車載用大型ＬｉＢ用途などに活用されている。近年、ハイブリッド車・電気自動車向けのＬｉＢ開発が活発化する中で、ハードカーボン固有の特性がますます注目されるとともに、自動車・電池メーカーからの品質要求も多様化し、これに対応する新規品の開発が課題となっている。
クラレは、活性炭事業等を通じて得られた炭素材に関する知見をもとに、新規ハードカーボンの開発に取組み、今般その事業化に目処を得たことを足掛かりに、成長分野であるＬｉＢ部材市場での事業拡大を図りたいと考えている。伊藤忠商事は、二次電池分野取組み強化の一環として、ＬｉＢ関連素材事業における投資を積極的に行っており、負極材分野においても、幅広い経営資源、世界規模のネットワーク並びに統合力を最大限に活かし、カーボトロン（Ｒ）Ｐ のグローバル展開を加速させている。
今後、ＫＢＭＪはクラレの経営参加により、新商品開発能力や安定供給体制を強化し、更なるコストパフォーマンスの追求を目指す。
■関連ニュース
2011年10月11日
【アジア】クレハ 上海に中国の統括会社を設立
2011年06月22日
【流通】クラレプラスチックス 加工がしやすい高い光透過性を備えた不燃シートを開発
2011年04月19日
【知識】凸版印刷と東洋製罐 リチウムイオン電池用外装材の事業提携で基本合意
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者：gotsuat 09:35| 知識
