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2011年12月20日

【流通】富士通 ICT活用で釧路湿原周辺部のタンチョウ保全を支援

富士通は、日本野鳥の会が北海道鶴居村で実施している越冬期のタンチョウ保全調査において、同社が開発したマルチセンシング・ネットワーク(※)を用いた支援を開始した。日本野鳥の会が整備したタンチョウの自然採食地にマルチセンシング・ユニットを設置し、遠隔地からタンチョウの様子をモニタリングし、画像データを収集することでより精度高く効率的な保全調査に貢献する。

タンチョウは国の特別天然記念物および国内希少野生動植物種で、日本野鳥の会は、餌の少ない冬期でもタンチョウが給餌に頼らず生息できる環境を構築するため、北海道鶴居村にて2008年より自然採食地を8ケ所整備し、月に2回の頻度で調査員によるタンチョウの実態調査を実施してきた。調査員がタンチョウの利用時間を避け積雪の多い現地に立ち入り、調査するのは困難で、より正確な調査のために現地調査の頻度を上げることが課題となっていた。

今回、富士通が開発したマルチセンシング・ネットワークを用いて、自然採食地に監視カメラを搭載したマルチセンシング・ユニットを設置し、1.9Km離れたネイチャーセンターに撮影画像などのデータを定期的に送信する。測定に使用するマルチセンシング・ユニットはソーラーパネル、バッテリーを搭載しているため、電池交換が不要で人手に頼らずより精度高く効率的な調査を行う。また、自然採食地の状況をリアルタイムに把握し、温度情報などと合わせて分析することで、自然採食地の有効性評価、設備計画などに活用することもできる。また、マルチセンシング・ネットワークを活用することにより、タンチョウ以外の野生生物保全の調査の効率化が期待できる。

※ マルチセンシング・ネットワーク
気象情報の計測や画像撮影が可能なマルチセンシング・ユニットを使用し、計測したデータをリモートで収集するネットワーク。特定小電力無線を用いているため、通信コストをかけずにデータ収集が可能

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通