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2011年11月29日

【流通】東京ガス 「羽田水素ステーション」で回収したCO2を千葉大学植物工場のトマト栽培施設で利用開始

東京ガスは、東京ガスが地域水素供給インフラ技術・社会実証事業(※1)の一環として運営する燃料電池自動車向けの「羽田水素ステーション」で回収したCO2を、千葉大学が運営する「農林水産省植物工場千葉大学拠点」(以下:千葉大学植物工場)に、平成23(2011)年12月から供給する。水素ステーションで都市ガスから水素を製造する際に発生するCO2を回収して、植物工場で有効利用する試みは世界で初めて。このCO2の有効利用は、東京ガスと千葉大学の共同研究で行う。

東京ガスは、「羽田水素ステーション」でCO2を回収し、液化して160kg入りのCO2ボンベに詰めて、千葉大学植物工場に車で運搬する。当面は、敷地面積約1,000m2のトマト栽培施設に、毎月ボンベ2本、約320kgのCO2を供給する予定にしている。千葉大学植物工場では、運搬した液化CO2を、トマト栽培施設の近くに設置した受け入れ設備で気化し、トマトに与える。植物の光合成速度はCO2濃度に比例して高まるという性質をふまえ、大気中では約400ppmのCO2濃度を、同共同研究では約1,000ppmまで高める。人為的にCO2濃度を高めることによって、通常は1m2あたり約40kg(※2)であるトマトの年間収量を約50kgまで高めることや、甘みが強く品質の高いトマトを生産することが期待できる。

同共同研究において、東京ガスは、水素ステーションから回収したCO2を、植物工場等で有効利用するために供給する場合のコストの検討を行う。千葉大学では、主に回収したCO2の植物工場内での有効な利用方法等について研究するとともに、回収CO2を植物に与えることの効果を評価する。

東京ガスと千葉大学は、低炭素社会実現のために今できる現実的な取り組みとして、水素ステーションでのCO2の回収、植物工場での有効利用の研究を進める。


※1:地域水素供給インフラ技術・社会実証事業
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募により水素供給・利用技術研究組合(HySUT)が受託した事業で、2015年の燃料電池自動車の普及開始に向けて、実使用に近い条件で燃料電池自動車、水素供給インフラに関する技術実証を行うとともに、ユーザー利便性、事業成立性、社会受容性等を検証し、普及開始に向けての課題を解決するもの。「羽田水素ステーション」でのCO2回収は、地域水素供給インフラ技術・社会実証事業の一環として行っている

※2:この施設では1年を通してトマトの栽培を行い、年に4回トマトを収穫する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通