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2011年10月18日

【流通】清水建設 高齢者見守りシステムを開発 居室内の高齢者の行動を見える化

清水建設は、高齢者に対する介護の質向上と介護負担の軽減を目的に、センサを用いて居室内における高齢者の行動を見える化し、必要な時にはナースコールなどの報知器を発報させる介護支援システム「高齢者見守りシステム」を開発した。ケアコムを通じて1セット(プログラムとセンサ1台)40万円程度での販売を検討している。

わが国の要支援者、要介護者の数は全人口の5%近くに相当する450万人に達している。このため、十分な数の介護者を確保することが難しく介護の質が懸念される一方、介護者の負担軽減が喫緊の課題になっている。また、全世帯の8%が65歳以上の独居者で占められているという統計データもあり、孤独死をはじめとする居室内での事故防止が課題となっている。「高齢者見守りシステム」はこうした課題を踏まえて開発された。

同システムは、居室内の入隅部に設置する3次元距離センサと、センサが認識する人間の3次元空間座標及びその動きとスピードから入床、離床や転倒といった行動を認識するプログラムで構成されている。3次元距離センサは、照射した赤外線が戻ってくる時間を計測することでセンサと対象物の距離を算出する。同システムの採用に当たっては、3次元距離センサで取得した距離情報をもとに居室の空間形状を示す3次元座標データを作成する。プログラムは、特定の方向に照射している赤外線の反射時間が短くなることでヒトの入室を認識し、反射時間が変化した赤外線の照射方向と反射時間からヒトの3次元座標を認識する。

認識できる行動は、入・退室、入床、離床、ベッドからの起き上がり・転落、転倒、歩行。プログラムは、ヒトの頂点(頭)および重心の座標の動きとスピード、両座標とベッドの位置との関係からヒトの行動を認識するというロジックを採っている。例えば、ベッドからの起き上がりを認識する場合の条件は、頂点の座標がベッドの高さから徐々に上がり、ベッドの高さから50cmを超えて1秒以上が経過し、かつ頂点と重心がベッドの領域内に収まっているということになる。転倒を認識する場合の条件は、高さ100cmを超えていた頂点または重心の座標が突然40cmを下回り、かつ両方の座標がベッドの領域外に出ているということになる。起き上がりの認識は徘徊防止に、転倒・転落の認識は迅速な事故対応に欠かせないことから、これらの行動を認識した場合にはリアルタイムに緊急通報を発して介護者に通知する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通