<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2011年08月11日

【アジア】タカラバイオ、中国で遺伝子治療プロジェクトの立ち上げ

タカラバイオと天津医科大学・天津市腫瘍病院は、難治性がんを対象としたTCR遺伝子治療の臨床研究を実施するため、共同研究契約を2011年7月27日付で締結した。2年以内の臨床試験の開始を目指す。

TCR遺伝子治療は、がん患者の血液から採取したリンパ球に、がん細胞を特異的に認識するTCR遺伝子を体外において導入し、培養によって増殖させてから患者に戻すという治療法で、TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、患者の体内においてがん細胞のみを認識して攻撃し、消滅させることが期待される。

タカラバイオは、三重大学医学部と共同で治療抵抗性の食道がんを対象としたTCR遺伝子治療の臨床研究を実施中で、2013年度に国内でTCR遺伝子治療の治験を開始する計画で、米国国立がん研究所のローゼンバーグ博士らのグループが実施した悪性黒色腫(メラノーマ)を対象としたTCR遺伝子治療の臨床試験の結果が2006年にScience誌に発表され、初めてその有効性が示された。なお、本臨床試験では同社が開発したレトロネクチン法が採用されている。その後も同グループを含む複数の施設において臨床試験が進められ、他の種類のがんに対しても有効性が示されている。

タカラバイオは、がんやエイズを対象とした複数の遺伝子治療プロジェクトの臨床開発を日本、米国で進めているが、中国で遺伝子治療の臨床開発を進めるのはこれが初めて。同社は、本遺伝子治療プロジェクトの立ち上げを含め、今後も中国における遺伝子治療・細胞医療事業の拡大を図る。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア