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2011年07月14日

【物流】全ト協 「トラック輸送産業の現状と課題」(平成22年度版)発行

全日本トラック協会(全ト協)は平成22年度版の『トラック輸送産業の現状と課題』を発行し、HP上で公開している。目次としては「第T部 トラック輸送産業の現状」、「第U部 トラック輸送産業の課題」、「第V部 諸課題に対する全日本トラック協会の対応」の3部から成る。

「第T部 トラック輸送産業の現状」では、経済と輸送の動向やトラック運送事業の経営・労働実態、交通事故実態等について説明されている。これによると、平成20(2008)年のリーマンショック以降、国内需要の落ち込みや企業活動の萎縮で貨物量が大幅に減少し、燃料価格の高騰も相まって、平成20年度、21年度と連続して退出事業者が増加した。又、経営規模については、トラック運送事業者数全体のうち、保有車両数が10両以下である小規模事業者が半数以上を占めており、労働実態については、事務員など全ての職種を合わせた従業員の平均年齢は43.1歳と22年度は前年度の水準を上回っているのが現状である。交通事故の発生件数、負傷者数に関しては年々減少傾向にあり、その背景には、シートベルトの着用、飲酒運転などに関する交通ルールの規制強化、自動車技術の進歩等が挙げられている。

「第U部 トラック輸送産業の課題」では、社会保険未加入者への対策強化やアルコール検知器備付義務といった企業のコンプライアンスが重視されるようになってきたことを踏まえ、行き過ぎた規制緩和の検証と見直しを行うべく、国交省内に「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」が設置されたことが記載されている。その他、荷主との適正取引をするため、健全な競争環境を整備するための法律や政策(独禁法、下請法、燃料サーチャージ緊急ガイドライン等)、税制や高速道路料金についてもふれられている。

「第V部 諸課題に対する全日本トラック協会の対応」では、平成21(2009)年11月に策定された「トラック事業における総合安全プラン2009」やトラック運送事業者の安全性を正当に評価・認定する「Gマーク」の取り組み等を紹介している。又、今後の業界・トラック協会のあり方については、トラック輸送での安全・環境・燃料高騰等に関わる対策のために運輸事業振興助成交付金の活用が不可欠であることの他、東日本大震災で国や各自治体と連携して行った緊急物資輸送などの包括的な物流管理システムは、今後の災害時の新たな物流管理方式の典型例として考えられている。

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投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連