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2011年07月13日

【物流】港湾での津波対策の在り方(中間まとめ)発表

国土交通省(国交省)の交通政策審議会港湾分科会防災部会により、これまで行った3回の審議の中間取りまとめとして「港湾での津波対策の在り方」を発表した。

これまでも港湾における津波対策は存在していたが(平成17年3月の交通政策審議会答申「地震に強い港湾のあり方」)、先般の東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う未曾有の津波被害で、従来の津波防災を根底から見直すこととなった。港湾は、地域の人々の生活を支える交通拠点だけでなく、我が国の経済を支える産業・物流拠点であるという見方から、同部会は港湾の役割を維持できる全国的・広域的な防災対策の在り方について検討を進めている。

今回の中間取りまとめは、被災地の港湾や背後都市の早期復旧・復興の観点から特に急がれる想定津波の見直しの考え方等を含め、次の6項目から構成されている。

 @ 東日本大震災における被害状況と津波防災施設の役割の評価
 A 津波対策における課題
 B 津波の規模や発生頻度に応じた防災・減災目標の明確化
 C 産業活動・まちづくりと連携した防護のあり方
 D 避難対策の強化
 E 粘り強い構造を目指した技術的検討

この中で、「A津波対策における課題」の一つとして、被災地の産業・物流機能の回復の遅れが他地域に大きな影響を及ぼしたこと、荷役機械が浸水に対して脆弱で部品の調達にかなりの時間を要したことが指摘されている。これに対し、GPS波浪計や国の事務所の通信回線の遮断等が原因として挙げられた。これらは、港湾の業務継続計画(港湾BCP)の観点からも今後検討すべき課題としている。

 また「C産業活動・まちづくりと連携した防護のあり方」では、防護ラインの外側(堤外地)に立地している産業・物流施設は、発生頻度の高い津波にあっても浸水する可能性があるため、施設の労働者、利用者用の避難施設や費用対効果を十分に検証した岸壁や護岸の洗掘防止等のハード対策の検討を行うとしている。更に、民間施設では、津波発生後でも港湾内に立地する産業・物流施設の機能維持の為、津波シミュレーションを使って算出した浸水深等をもとに、企業のBCP策定を促進させ、官民の連携による港湾BCP策定の参画の必要性を述べている。

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投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連