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2011年06月14日

【知識】水ingと積水化学 水処理施設と管路の包括受注体制構築

水ingと積水化学は、上下水道事業の管路・水処理施設等の設計、建設、運転及び維持管理業務分野において、国内外の複合委託案件(管路と水処理施設が複合して委託される案件)の受注を目的とした共同営業活動及び受注した案件の業務を共同で遂行することを中心とした事業提携を行う。

水ingがこれまで蓄積してきた水処理事業のEPC(※1)やO&M(※2)のノウハウと、積水化学が保有する管路に関するバリューチェーン展開力(調査・診断〜設計〜製品〜施工維持管理)を融合させることにより、両社の市場優位性をより強固なものとし、国内外における水事業の展開を加速する。

日本国内の上下水道事業は施設の老朽化が進みつつあり、その維持・更新に莫大な費用がかかることに加え、人材確保が困難である等の問題により、一部の自治体においては単独でのサービス提供は難しくなっている。また、海外においても、新興国や発展途上国では上下水道インフラの整備が求められており資金・人材共に不足している。これらに対応する手段として、民間のノウハウ、人材、資金等を積極的に活用し、課題解決にあたるPPP(※3)の動きが、国内外で活発化し、今後、PPP案件はますます増加してくるものと考えられる。

一方、上下水道事業の運営・維持管理においてグローバルマーケットを席巻している存在として、フランスや英国の水メジャーがあげられる。水メジャーは水処理施設の設計・建設・運転・維持管理はもちろんのこと事業運営や料金徴収等のノウハウを持ち、世界のPPP市場で圧倒的なシェアを誇る。水ing、積水化学両社にとって、PPP市場で競争力を発揮できるバリューチェーン(機器・設計・建設、運転・維持管理・顧客サービス、事業運営)を整備し、包括的な受注が可能となる体制の確立や、そのためのパートナーの確保が大きな課題となっていた。

水ingがこれまで国内外で培ってきた水処理事業のEPC・O&M・PPPのノウハウと積水化学の持つ管路に関するバリューチェーン展開ノウハウ(管路ストックマネジメントに秀でる)をマッチングすることで、水処理施設と管路の維持管理を包括的に受注する体制を構築していきます。なお、提携範囲(エリア)は全世界とし、海外のPPP案件に関しても積極的に進める。

両社は、上下水道の管路・水処理施設等の設計、建設及び維持管理業務分野において、以下の業務を共同で推進していきます。
(1) 国内外の複合委託(管路と処理施設が複合して委託される)案件の受注を目的とした営業活動
(2) (1)の活動を通じ受注した案件の遂行
(3) 対象案件の発注条件上必要とされる場合には共同でSPC(※4)を設立・運営

※1 EPC(Engineering,Procurement and Construction)
水処理施設の設計・建設

※2 O&M(Operation and Maintenans)
運転と維持管理

※3 PPP(Public Private Partnership)
公民連携


※4 SPC(Special Purpose Company)
特別目的会社

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識