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2010年11月22日

【流通】振動で発電するカバンを発売

伊藤忠商事は、米国CIIIS社の持つ慣性力発電(振動発電)(※1)技術を用いて、人体の運動による振動で発電する慣性力発電ユニットを開発した。国内鞄最大手のエースが、この慣性力発電ユニットを搭載したバッグを販売する。

CIIIS社の慣性力発電技術は燃料などを必要とせず、人体の動き、輸送機器等の移動体の振動、海洋(波)の動きといったランダムな動きを利用して、クリーンなエネルギーを作り出す。これまで捨てられていたエネルギーから電気エネルギーを生み出すことにより、電池交換不要な電気製品やセンサーなどが可能になる。また同技術を利用した波力発電技術の開発も進められている。伊藤忠商事は2005年にCIIIS社と資本・業務提携し、同技術の商品化を進めてきた。

今回、伊藤忠商事が開発した慣性力発電ユニットは、エースの基幹ブランド「ACE GENE(エースジーン)」の新商品バッグに採用され、2011年2月より全国販売される。慣性力発電ユニットが、バッグを持ち歩く際の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッグに内蔵されたLEDライトを発光させることによって、夜間の視認性を向上し、安全性を高める。

なお、エースのバッグに搭載される慣性力発電ユニットは、国内有数のものづくり技術の集積地である東大阪市に本社を置くマグテックが、設計・製造を担当している。伊藤忠商事は、東大阪市と先端技術分野で提携しており、東大阪市(※2)と、東大阪市の産業振興を図る目的で設立された東大阪市中小企業振興会の協力により、マグテック社との協業が実現した。


※1 慣性力発電(振動発電)
運動エネルギーを電磁誘導の原理を利用し電気エネルギーに変換する発電技術。磁石、コイル等の部品を最適に組み合わせることにより、人体の動き、輸送機器等の移動体の振動、海洋(波)の動きといったランダムな動きからも電気エネルギーを引き出すことが可能になる。

※2 東大阪市
東大阪市は基盤的技術産業を中心に多種多様な製造業を有するモノづくりのまち。オンリーワン、ナンバーワンと称されるような、高い技術力や高いシェアを有する企業が多数立地。伊藤忠商事は、2005年に東大阪市と東大阪市内中小製造業の先端技術分野での支援・育成について、業務提携契約を締結。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通