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2010年10月28日

【流通】関西電力 日新電機 川崎重工の3社が多機能電力貯蔵装置を開発

関西電力、日新電機、川崎重工業の3社は、ニッケル水素電池を用いたものとしては初めて、電力ピークシフト(※1)、瞬時電圧低下対策(※2)、停電対策(※3)を同時に兼ね備えた「多機能電力貯蔵装置」を共同開発した。

従来、多機能電力貯蔵装置としては、主に特別高圧(契約電力が2000kW以上)を利用している大規模のビルや工場を対象とした大容量のナトリウム硫黄電池を用いたものが主に販売されてきたが、ナトリウム硫黄電池には、高圧(契約電力が50kW以上2000kW未満)を主に利用している中小規模のビルや工場に適用できる中小容量のものはない。また、中小規模のビルや工場向けにおいても、すでに蓄電池を用いたものが販売されているが、高性能の蓄電池を用いた多機能電力貯蔵装置はなかった。そのため、中小規模のビルや工場向けに高出力・高効率な、川崎重工業製のニッケル水素電池を用いた多機能電力貯蔵装置を開発した。

3社は2010年7月から、日新電機本社(京都府京都市)構内で性能確認試験を実施してきた。基本性能の確認が終了したので、10月27日から同社の工場内でのフィールド試験を開始します。2011年度からは、商品化に向けた検証・装置の改良を行う。


※1 電力ピークシフト
一日における電力使用量の波を平準化すること。多機能電力貯蔵装置を使用すれば、電力使用量の少ない時間帯に電池に電気を貯め、その電気を電力使用量の多い時間帯に使用でき、一日の電力使用量の波を平準化することができる

※2 瞬時電圧低下対策
送電線に落雷などがあった場合、停電には至らないまでも、故障点を中心とした電力系統上の広い範囲で電気の電圧が瞬間的に下がってしまうこと。多機能電力貯蔵装置を使用することで、瞬時電圧低下が発生してから80kWの負荷までは1秒間電気を送ることができる

※3 停電対策
多機能電力貯蔵装置を使用することで、停電が発生してから50kWの負荷までは10分間電気を送ることができる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通