<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2010年10月14日

【流通】世界初の「全自動尿統合分析装置」をシスメックとアークレイが共同開発

シスメックとアークレイは尿検査分野でのさらなるシェア拡大を目指し新製品の共同開発した。この製品は、シスメックスの尿中有形成分分析技術とアークレイの尿定性検査技術を搭載した世界初の「全自動尿統合分析装置」で、2010年12月より日本で発売し、順次グローバルに展開する。

尿検査は血液検査と同様に健康状態を調べる一般的な検査で、試験紙を尿に浸し尿中の蛋白や糖・血液の有無を分析する尿定性検査と、尿中に含まれる血球や細胞などの固形物を分析する尿沈渣検査の2種類の検査に大きく分けられる。一般的な健康診断では、尿定性検査が行われ、感染症や腎臓機能の異常など疾患の疑いがある場合には、より詳細な結果を得るために尿沈渣検査が行われる。

シスメックスは、フローサイトメトリー法(※1)を応用して尿中の有形成分を全自動で分析する装置を開発・生産・販売し、尿沈渣検査分野においてグローバルでNo.1のシェアを有している。また、アークレイは、尿定性検査分野で約40年の実績を有し、同分野において世界でも有数のリーディングカンパニーの1社。

これまでにもシスメックスとアークレイは、両社の分析装置を接続する搬送システムの共同開発など、ユーザーへのソリューション提供などの協業を進めてきた。新たに両社の持つ技術を融合し、1台で尿定性検査と尿沈渣検査が同時に行える「全自動尿統合分析装置」を共同開発した。

これまでの一連の検査を全自動で行う搬送システムは、尿定性検査と尿沈渣検査で2台に分かれており、広いスペースが必要だったが、今回の全自動尿統合分析装置は、1台で測定できるため設置スペースが搬送システムに比べて大幅に縮小され、操作性が向上する。また、1時間あたり100〜200検体(※2)を全自動で分析することができ、検査室における業務の効率化のほか、尿を遠心分離し沈殿物の顕微鏡検査を実施している病院においては、検査の標準化にも貢献する。

両社の強みを活かした製品を互いのグローバルなネットワークを通じ、各社のブランドで販売を進めることにより、尿検査分野のさらなるシェア拡大を目指していきます。


※1 フローサイトメトリー法
レーザー光を用いて、流体中に分散させた微細な粒子を光学的に分析する手法
※2 尿定性検査と尿沈渣(にょうちんさ)検査を同時に実施する割合にて変動

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通