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2010年09月22日

【流通】KDDI研究所 エリア限定ワンセグ放送の自動選局技術を開発

--- IMES(屋内測位技術)との連携によるエリア限定ワンセグ放送の自動選局技術を開発 ---

KDDI研究所は、屋内測位技術Indoor Messaging System(IMES)(※1)とエリア限定ワンセグとを連携し、IMESから得られた情報をもとに屋内の場所に応じて異なるワンセグチャネルを自動選局する技術を開発した。これまでのエリア限定ワンセグ放送の受信では手動での選局やチャネルスキャンが必要だったが、この技術によりユーザは場所に応じたコンテンツを選局の手間なく簡単に視聴することが可能となる。

エリア限定ワンセグ放送は、限られたエリアだけで視聴できるため、通常の地上デジタル波のワンセグ放送とは異なり、エリアに密着したコンテンツを配信できる特徴を持ち、さまざまな利用モデルが期待されている。これまで、移動機でエリア限定ワンセグ放送を視聴する際には、ワンセグ視聴アプリケーションの起動、当該エリアのチャネルの手動設定やチャネルスキャン、QRコード等の読み取り操作によるチャネル設定誘導などのボタン操作を経る必要があり操作が煩雑だった。

この課題を解決するために、KDDI研究所は屋内測位技術の一つであるIMESを外部信号として利用することによりエリア限定ワンセグ放送を自動選局する技術を開発した。具体的には、エリア限定ワンセグ放送のチャネル情報を含むIMES信号を移動機が受信し復号すると、IMESメッセージの中から同チャネル情報を取り出す。この情報の抽出をきっかけにして、移動機のワンセグ視聴アプリケーションを自動起動し、指定されるチャネルに自動選局する仕組みを開発し、移動機に実装した(※2)。

これにより、この技術を搭載した移動機を携えたユーザは、場所ごとに異なるワンセグチャネルを自動選局してコンテンツ視聴することができ、例えばビル内や地下街などの屋内において、隣接する店舗が配信する異なる広告を視聴するといった使い方が可能となる。今後、KDDI研究所はIMESより得られるその他の情報も活用したエリア限定ワンセグとの連携など、本技術の応用を検討する予定にしている。


※1 IMES
JAXA(宇宙航空研究開発機構)が考案した屋内測位技術。GPSと同じ周波数、形式の信号を使用し、メッセージを復号することで位置を識別することが可能

※2 自動選局を実現できるのは特定の実験用端末に限られる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通