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2010年06月26日

【流通】NICTと三菱電機 ミリ波を用いた航空機−地上間の大容量無線通信システムを開発

--- 高度8000mの航空機と地上との間で100Mbpsの双方向通信を実証 ---

情報通信研究機構(以下:NICT)と三菱電機は、大容量通信が可能な周波数であるミリ波帯(30GHz〜300GHzの周波数帯)を用いた航空機−地上間の高速無線通信システムを開発し、高度8000mの航空機と地上の間で従来の30倍以上となる100Mbpsの双方向通信実験に成功した。

航空機内でインターネット通信を実現するシステムとして、航空機と地上間をマイクロ波帯(12/14 GHz帯)を用いた静止衛星回線で接続したシステムが実用化され、電子メール等で利用されている。しかし、近年の高速インターネット環境の普及に伴い、航空機内でも動画や音楽などの高速インターネット通信が可能な無線通信システムの実現が求められている。

そこで当研究開発では、マイクロ波帯よりもさらに大容量の通信が実現可能なミリ波帯を用い、航空機等の移動体向けインターネット通信環境を実現する無線通信システムを開発した。

航空機などの高速移動体の無線通信にミリ波帯を適用するためには、長距離のミリ波帯通信を実現するアンテナの高性能化、移動体に搭載するための装置の小型・軽量化、航空機の姿勢に追随して電波の放射方向を高速に制御するアンテナ制御技術、ミリ波帯を用いた移動体通信に適したネットワーク技術が必要となる。そこで、当研究開発ではNICT及び三菱電機が共同でこれらの技術を開発し、40GHz帯を用いて100Mbpsの伝送が可能な航空機用大容量無線通信システムを試作した。また、当システムを用いて、高度8000mを飛行する航空機と地上との間で実際に100Mbpsの双方向通信実験に成功した。

今後は5年後の実用化に向けて、航空産業や移動体の無線利用企業等へ積極的に導入の支援を行う予定にしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通