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2010年06月04日

【物流】「2009年度物流コスト調査」の結果

先月31日、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が発表した「2009年度物流コスト調査」の結果によると、2009年度の売上高物流コスト比率は4.77%となり、2008年度に比べ0.1ポイント低下した。調査結果から、荷主企業は不況下で物流コストの削減を進めている実態が浮き彫りとなった。

業種により傾向の違いも見られ、素材関連は2008年度前半の好況で、年間を通じて売上高をのばしたことから、結果的に物流コスト比率が低下した。一方、外需への依存度が高い産業は、急速な売上高の減少に物流コストの削減ペースが追いつかず、売上高対比の物流コストが上昇したケースもあった。

全業種の中で物流コスト比率が最も高かったのは、小売業(通信販売)の11.93%で売上高の1割以上を物流コストが占めた。製造業では「窯業・土石・ガラス・セメント」が最高の11.27%、卸売業は「繊維衣料品系」の7.71%と最高の比率となっている。

物流コスト削減策の実施状況では、2008年度まで4年連続首位だった「積載率の向上」(95社)を抜いて、「在庫削減」(105社)がトップとなった。次に「物流拠点の見直し(廃止・統合・新設)」(101社)と続いており、総在庫を抑え、在庫リスクや保管コストの低減を重要視している姿が読み取れる。さらに、物流量に見合った拠点集約化(ダウンサイジング)と集約に伴う「人員削減」(48社)に着手する企業も増加している。

また、物流面の取引条件の改善を上げる企業も増えており、「アイテム数の整理」(58社)、「配送頻度の見直し」(52社)、「物流を考慮した商品設計」(33社)、「配送先数の絞込み」(25社)といった取り組みも進んだとしている。

アンケート調査は842社を対象に、2009年8月〜2010年4月にかけて実施。回収率は25.4%だった。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| その他