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2010年05月12日

【流通】人間の脳に似たプロセスを持つ「進化回路」を実現

--- 有機分子層における脳のようなコンピューティング ---


物質・材料研究機構(以下:NIMS)ナノ計測センター 先端プローブ顕微鏡グループのアニルバン・バンディオパダヤイらは、米国ミシガン工科大学、情報通信研究機構と共同で、人間の脳に似たプロセスを持つ「進化回路(evolutionary circuit)」を世界で初めて実現させた。

今回発表された研究は、有機分子層において、情報処理を行う回路が人間の脳神経(ニューロン)のように自己進化するプロセスを創製し、それにより今までよりもさらに複雑な問題を解くことができる。

この回路を用いた分子プロセッサーは以下の特徴を持つ。

1)大規模並列処理が可能。世界最速のスーパーコンピュータが、各々、それらの経路で順番にビットを処理するのに対して、今回の回路は一度に300 ビットまでのパラレルで瞬間的な処理ができる。

2)欠陥がある場合、それを自ら修復することができる。有機分子層の自己組織力により、既存のコンピュータにはない自己修復性を有している。また、ある神経回路(ニューロン)が失われた場合、別の回路がその機能を引き継ぐ。

3)この分子層には知性が認められる。この研究は、アルベルト クレディ(Alberto Credi)の「IQを持つ単分子層」の予測(2008年)を実現した。

4.このユニークな特徴を証明するために、グループは熱の拡散とガン細胞の進展という2つの自然現象をシミュレーションした。このような自然災害及び病気の発生の予測など、現在のコンピュータアルゴリズムが及ばない問題に、解決をもたらすことが考えられる。

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通