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2010年02月05日

【流通】食品の安全性と新鮮さを両立する殺菌装置を開発

--- リキッドガスと九州大学が2010年春から販売開始予定 ---

大阪ガスグループのリキッドガスと九州大学大学院農学研究院(下田 満哉教授)は、食品素材(以下:食材)への飽和水蒸気を用いた瞬間湿熱殺菌法(以下:本殺菌法)の研究開発に取り組んできたが、このたび実証機により、大腸菌は陰性、一般性菌は処理前に比べ100分の1から1,000分の1に減少することを確認し、食材の安全性と新鮮さを両立する新しい殺菌法を実用レベルで確立した。

食材の殺菌方法には、主に薬品処理(※1)と加熱処理の2種類があり、わが国では薬品処理が主流となっている。しかし、食材への薬品や臭い等の残留を無くすため、処理する際に大量の水を必要としている。一方、食品殺菌に化学薬品の使用が認められていないEU(欧州共同体)で主流の加熱処理では、食材の繊維質、食感、色味といった新鮮さが損なわれてしまう。今回開発した殺菌法は、食材の表面のみを短時間で加熱するため、従来の加熱処理で損なわれていた新鮮さを失うことがなく、なおかつ安全性にも配慮した新しいタイプの殺菌法。

リキッドガスは、従来から食材の低温粉砕受託事業を行ってきたが、持ち込まれる食材が殺菌処理されていない場合には、粉砕を受託することができなかった。そこで、低温粉砕事業の拡大を目指して、平成19年から九州大学と共同で本殺菌法の開発を開始した。実験により短時間(1秒以内)での加熱処理により有効な殺菌効果が確認されたため、幅広い食材への適用も可能と考え、平成20年6月に基本特許を出願した。そしてこのたび、野菜およびナッツ類に対する実証機(※2)を用いた実使用と同等環境での効果検証において、十分に実用可能な高い殺菌効果が確認された。

現在、より幅広い食材への適用を目指し、大手食品メーカーや食品加工会社、給食事業者、食品スーパーなどさまざまな企業等と実証機を用いた効果検証を行っており、今後、モニター導入を経て、2010年春を目処に装置の販売を開始する予定にしている。

※1:次亜塩素酸による処理を実施 

※2:食品素材の連続投入が可能な実使用環境を想定した装置 

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:59| 流通