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2010年02月01日

【流通】農産物残渣(残りかす)を飼料化させる生菌剤を日本向けに販売

--- 丸紅が帯広畜産大学・日本仁安堂薬健と共同で開発 ---

丸紅は、高い防カビ効果と飼料成分向上効果を併せ持つ混合生菌剤(※1)(仮称:BMES BIO−PKC)を開発し、日本向けに販売を開始する。

微生物菌の様々な機能・効果は各分野で注目されており、畜産・水産養殖分野でも飼料消化率向上、免疫力向上の点から生菌剤の使用が広まっている。

丸紅は以前からこの混合生菌剤を配合した飼料添加剤の販売事業を行ってきたが、使用現場からの「従来の効果以外に、飼料の保存効果がある」との声に着目し、技術元である日本仁安堂薬健及び帯広畜産大学大学院・畜産研究科と共同で、飼料保存を目的とした製品の研究・開発を、タイセイ飼料の協力を得て進めてきた。

今回、北海道・十勝の主要農産物であるビートの残渣・「ビートトップ(砂糖大根の茎葉)」に混合生菌剤を添加し、10カ月の長期保存試験及び羊への給与試験を実施した。従来ビートトップは高水分の為に腐敗しやすく、飼料としての利用が困難だが、今回の実験で、当製品を添加することでビートトップの繊維分解が進み、ここから発生した糖分がアルコール及び有機酸に転換され、従来の乳酸発酵とは異なる方式で、高水分農産物残渣が長期保存できる事、及び飼料栄養価が高まる事が確認された。

当製品はビートトップ以外にも稲わら、焼酎かす、オカラ、果汁絞りかす、トウモロコシ搾りかす等、高水分農産物残渣・食品残渣にも同様の効果が見込めるため、乾物飼料、乾燥残渣と混合することで良質な発酵TMR(完全混合飼料)となり、畜産経営、飼料自給率改善の一助になるものと期待される。

従来、混合生菌剤の基材は米ぬか・ふすまだったが、一層の効力向上とコストダウンを図るため、基材をパーム核渣(※2)に変更し、同材料が一定量確保できるマレーシアで生産、日本に輸入するスキームとした。


※1:混合生菌剤

米ぬか、小麦ふすま、パーム核滓等ミネラル、油分が豊富で多孔質な培地に枯草菌、乳酸菌、硝化細菌、酵母菌等の有用菌を添加したもの

※2:パーム核渣

アブラヤシの種子から搾油したあとの残りかす

 

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:36| 流通