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2009年08月26日

【知識】住友商事 カザフスタンのカザトムプロム社とレアアース回収プロジェクトに着手

住友商事は、カザフスタンの国営原子力公社カザトムプロム社とウラン鉱石残渣からレアアースを回収する事業に合意した。両社が協力してカザフスタン国内に存在する残渣からの回収事業を独占的に行い、新たなレアアース資源ソースの確立に乗り出す。住友商事は、すでにカザトムプロム社と日本初のウラン鉱山開発事業を推進しており、同社との2件目の共同事業になる。このレアアースにはハイブリッド自動車や電気自動車のモーターに欠かせないディスプロシウムやネオジムが豊富に含まれており、今までほぼ全量を中国から輸入しているが、本件によりカザフスタンが新たな供給源となる可能性が出てきた。

2009年末までに合弁会社を設立し、カザトムプロム傘下のウルバ冶金工場の既存設備を活用して、ウラン鉱石残渣からのレアアース混合物の回収事業を立ち上げる予定。まずは、2010年には年間3千トンのレアアース分離品の生産体制を確立し、将来的には現地でレアアースを使用した高付加価値品の一貫生産を行うことを目指す。

カザフ国内には、かつて露天掘りで採掘されたウラン鉱石残渣が大量に存在している。初期調査の結果、それらの残渣には、今後ハイブリッド自動車や電気自動車の普及により必要不可欠となり、需要の急増が見込まれるディスプロシウムやネオジム(注:強力なモーターに使用)が豊富に含まれていることが確認されている。今回の事業は、既存の残渣からレアアースを回収するため、新規に鉱山開発を行う場合と比較して、(1)短期間での生産開始が可能、(2)環境負荷が低い、(3)開発コストが低減できるなど、数多くのメリットがある。

一方、レアアースを含むレアメタルの安定供給は、我が国製造業の国際競争力の維持・強化の観点から極めて重要とされている。政府は7月に「レアメタル確保戦略」を策定し、今後需要増が見込まれる新エネ・省エネ製品の動向などから必要とされる優先度の高い鉱種について、集中的・戦略的な取り組みを実施するための枠組みを整備した。この観点から経済産業省資源エネルギー庁や石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、本件について、レアアースを回収する技術開発への支援を決定し、今後も融資などで本プロジェクト成功へ向け、さらなる支援を検討することとしている。

 

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投稿者:gotsuat 10:04| 知識