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2009年07月28日

【知識】理化学研究所など網膜再生医療実現のための共同研究で提携

理化学研究所(以下 理研)とジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下 J−TEC)とは、ヒトiPS細胞を用いた網膜再生医療実現のための共同研究を進めることについて覚書を締結した。

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究チーム(以下  研究チーム)は、ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)から網膜のさまざまな細胞を作製し、網膜再生に資する研究を進めている。その成果により、加齢黄斑変性等の網膜疾患に対し、治療法確立の可能性が示唆されている。

加齢黄斑変性は、欧米では高齢者の視力低下原因の一位を占め、わが国でも増加している疾患で、その治療には、網膜色素上皮細胞と呼ばれる細胞の移植が効果的であることが示唆されていた。しかし、患者自身の網膜色素上皮細胞の採取と培養が困難であること、他人の細胞では免疫拒絶されることから、従来の再生医療技術での治療は難しいと言われている。研究チームが開発したiPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞は、上記の課題を克服できると期待されている。

一方、J−TECは、患者自身の細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品として、自家培養表皮ジェイスの製造販売承認を取得し、さらに自家培養軟骨、自家培養角膜上皮の開発も進めている。

研究チームは、世界に先駆けてiPS細胞を用いた再生医療を実現するにあたり、J−TECに対し、これまで培ってきた再生医療製品開発技術ならびに品質管理技術等の実績をふまえ、開発協力の依頼を行った。J−TECは、開発協力によりわが国の再生医療のさらなる発展に寄与したいと考え、本覚書を締結した。


今後、理研及びJ−TECは、世界初となるヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性の治療の実現に必要不可欠な「ヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞培養プロトコルの開発」について、3年から5年以内に達成することを目標に掲げている。

 

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投稿者:gotsuat 10:04| 知識