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2009年07月08日

【知識】大日本印刷 米モレキュラーインプリント社とナノインプリント技術の実用化で提携

大日本印刷(以下:DNP)と米国のモレキュラーインプリント社(Molecular Imprints, Inc. 以下:MII)は、22ナノメートル以降の次々世代半導体用途でのナノインプリントリソグラフィ技術の実用化を加速するため、戦略的な提携関係を構築する。

この提携により両社は、半導体の基板であるシリコンウエハー上のパターン転写に使用する、ナノインプリント用の型(テンプレート)の複製技術開発を進め、テンプレートの大幅なコスト削減と短納期での供給を目指し、半導体製造におけるナノインプリント技術の実用化と量産を進める。

DNPは、近年の半導体回路やナノデバイスの微細化に伴い、新たな半導体製造方法として注目されているナノインプリント技術において、基板上に回路パターンを形成する際に用いる、石英ガラス製のテンプレートの開発に注力してきた。2005年にナノインプリントリソグラフィシステムの開発・販売を行う米国のMIIに出資し、MIIの戦略パートナーとして同社のシステムに使用されるテンプレートの開発・販売体制を構築してきた。また、2007年には18nmレベルの半導体プロセスに対応したテンプレートの開発にも成功している。一方、従来の光を用いた回路パターンの転写技術を使用したリソグラフィであるArF液浸露光技術(*1)は、ダブルパターニングなどの複雑な技術が必要とされ、EUV(極端紫外線)露光技術(*2)は、高額で大規模な製造設備が必要となるなど、製造コストの上昇が課題となっている。また、設備コストが少なくて済むといわれるナノインプリントリソグラフィにおいても、テンプレートで型押しして回路パターンを転写することから、量産時には定期的にテンプレートを交換する必要があり、より一層のテンプレート製造コスト低減の必要があった。

この様な課題に対してDNPとMIIは、既存のフォトマスク製造技術を用いてマスターのテンプレートを作製し、そのマスターテンプレートからナノインプリント用のテンプレートを効率的に複製・製造する技術を共同で開発することとした。

今後DNPは、2011年末までにテンプレートの複製技術を確立し、2012年度までに大量生産が必要とされる半導体メモリーなどのアプリケーションでの量産の採用を目指す。


(*1) 露光装置の投影レンズとウエハーの間に液体を満たして露光する技術
液体の屈折率を利用し高い解像度が得られ65nm以降の最先端半導体で利用されている

(*2) 極めて波長の短い極端紫外線(波長13.5nm)を用いて
ウエハーに微細な回路イメージを焼き付ける技術

 

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投稿者:gotsuat 10:04| 知識