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2009年07月08日

【流通】多様な携帯電話用OSで利用可能なIP電話基盤技術を開発

--- 富士通研究所が、世界で初めて開発 ---

富士通研究所は、Symbian OS(TM)、Windows Mobile(R)、Android(TM)の各OS上で共通に利用でき、多様なIP−PBX(注1)システムに接続するソフトウェアを少ない工数で開発できるIP電話基盤技術の開発に世界で初めて成功した。これにより、開発者は、電話網がIP化されるLTE(注2)および4G(注3)時代の多様な携帯端末に対してIP電話機能の早期提供が行え、携帯端末の利用者は、1台の端末で無線LANを使った内線電話サービスなど多様なFMC(注4)サービスを利用できるようになる。

近年、企業では通信コスト削減や業務効率化を目的に内線電話のIP化が進んでいる。電話端末も、従来のように席に固定された電話端末だけでなく、携帯型IP電話端末を利用するケースが増えている。また、携帯端末プラットフォームのオープン化が進む中で、さまざまな携帯端末プラットフォームで内線付加機能も利用可能な高機能な携帯型IP電話端末が開発されるようになった。このような端末を、社外では携帯電話として使い、オフィスでは無線LANによるIP電話端末として使い、家では電話の子機として使うといったFMCサービスの普及が始まる。このFMCサービスは、携帯端末の利用者にとって通信コスト削減と利便性の向上というメリットがある。

一方で、企業で使われる携帯端末は多様化してきており、FMCサービスを利用するためには各携帯端末へのIP電話ソフトウェアの搭載が必要になる。しかし、各携帯端末プラットフォームはOSやハードウェア機能など種類が多岐にわたっており、開発済みのIP電話ソフトウェアを異なるプラットフォームへ移植する際でも、新規に開発する必要があった。また、ソフトウェア方式での機能追加も、同様に携帯端末プラットフォームごとに開発を行う必要があった。さらに、IP電話の音質などの性能について、各携帯端末プラットフォームに合わせて移植したソフトウェアを個別に検証する必要がある。このように、移植開発や機能追加は開発工数や検証期間が膨らむことから、現状では決められた端末で単一のFMCサービスしか提供できないという課題がある。

このような課題を解決するために、IP電話の音質を保障しつつOSの違いも含めた多様な携帯端末プラットフォームの違いを吸収するOS差異吸収モジュールを開発し、Symbian OS、Windows Mobile 6、Android、の各OS上でIP電話ソフトウェアが共通に動作するIP電話基盤技術の開発に世界で初めて成功した。

この技術を用いることで、IP電話ソフトウェアを他の携帯端末プラットフォームへ移植する場合に、すべてを新規開発するよりも10分の1程度にまで開発工数を抑えることができ、同時にIP電話の音質チューニングも容易になる。また、これまで開発工数が膨らむため簡単には実現できなかった多様なFMCサービスが利用できるソフトウェアの携帯端末への搭載が、この技術により開発工数を短縮することで実現できるようになる。このような結果、携帯端末の利用者は1台の端末で多様なFMCサービスを利用できるようになる。

富士通研究所では今後、LTEおよび4G向け端末搭載や、FMCサービスと連携した他端末へのライセンスビジネス展開を目指し、適用する携帯端末プラットフォームの拡大について検証を進める予定にしている。



注1 IP−PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)   :IP電話の回線交換を行なう装置およびソフトウェア 

注2 LTE(Long Term Evolution)
: 2010年頃からサービス開始予定の第3.9世代とよばれる携帯電話の高速データ通信規格のひとつ 

注3 4G(4th Generation)
: 第4世代移動通信システムの略称 

注4 FMC(Fixed Mobile Convergence)
: 固定通信と移動体通信が融合した通信サービス形態

 

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投稿者:gotsuat 10:03| 流通