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2009年06月23日

【流通】大日本印刷 印刷物のレイアウトデータをデジタルテレビ用コンテンツへ変換するソフトウェアを開発

--- データ放送用コンテンツ制作がDTPデザイナーも可能となり、制作負荷も低減 ---

大日本印刷(以下:DNP)は、印刷の製版に使用するレイアウトデータをデジタルテレビ用コンテンツへ変換するソフトウェアを開発した。本ソフトウェアを利用したデジタルテレビ用コンテンツ制作サービスを2010年4月に開始する。

DNPは、Adobe(R) InDesign(R)などのDTP(Desktop Publishing、卓上編集)ソフトで作成されたデータを、地上デジタル放送(地デジ)やBSデジタル放送、IPTVなどのデータ放送用の記述言語であるBML(Broadcast Markup Language)フォーマットのデータへ、自動的に変換するソフトウェアを開発した。この自動生成されたBMLデータに、BMLプログラムの編集を担当するプログラマーが最終的な編集作業を加えるだけで、デジタルテレビ用コンテンツとして配信できる。

従来、印刷物とデジタルテレビに同じコンテンツを利用する場合、印刷物にはDTPデータを、デジタルテレビ用にはBMLデータを個別に制作する必要があったが、今回開発したソフトウェアを用いれば、DTPデータをデジタルテレビへ簡単に流用できるようになる。また、デジタルテレビ用コンテンツの制作工程のうち、画像データやレイアウトデータの作成といったデザイン・編集作業はDTPソフトで完結するため、BML言語の知識を持たないデザイナーもデータ放送用コンテンツが制作できるようになる。これにより、従来に比べ約5割の制作時間の短縮が可能になる。

印刷物は高解像度で写真の配置に工夫を凝らすなど、視認性やデザイン性に優れるという特徴がある。デジタルテレビは、高解像度化に加えVOD(ビデオオンデマンド)など、高機能化が進み、家庭における情報媒体としての価値がますます高まることが見込まれる。地デジ、IPTVの普及が進むなか、DNPは、印刷データからデジタルテレビのデータ放送向けコンテンツを効率的に制作できる環境を整え、これまで印刷物で情報発信をしていた顧客企業に、デジタルテレビを通じた情報発信を提案していく。通販カタログや雑誌、絵本のように家族で楽しみ、画面の美しさが求められるコンテンツをターゲットにしていく。

DNPは、2009年度に実証実験を行うとともにソフトウェアの改良を進め、2010年4月より、DTPデータを入稿データとしたデジタルテレビ用コンテンツの制作サービスを開始する。またデジタルテレビ用に加えて、Webサイト用のHTMLやデジタルサイネージ用などへの変換にも対応する予定で、得意先企業のコンテンツのマルチメディア展開を積極的に支援していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:44| 流通