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2009年06月10日

【流通】伊藤園と溝端紙工印刷 「お茶殻入り紙ナプキン」開発

--- お茶の香りと抗菌・消臭効果 ---

伊藤園は、溝端紙工印刷と共同で「お茶殻入り紙ナプキン」を開発し、溝端紙工印刷が全国で販売する。

「お茶殻入り紙ナプキン」には、当社の「お〜いお茶」をはじめとする緑茶飲料を製造する際に排出された茶殻を配合している。

伊藤園はこうした緑茶飲料の製造過程で排出された茶殻を、水分を含んだまま有効活用(リサイクル)する独自の「茶殻リサイクルシステム」を構築し、これまで自社社員の名刺のほか、畳、ダンボール、ボールペン、ベンチなどに有効活用してきた。今回の「お茶殻入り紙ナプキン」を開発する際にも「茶殻リサイクルシステム」を活用し、さらに、茶殻を紙パルプに配合して紙ナプキンのような薄い紙(坪量:約14g/m2)を抄造する際に、茎や葉脈が紙を破かないよう、茶殻を微粉砕している。

また、茶殻を紙パルプに配合することは、紙原料の使用量を削減することにつながる。「お茶殻入り紙ナプキン」1,000枚あたり「お〜いお茶」500mlペットボトル約36本分の茶殻を配合し、その分の紙原料の使用量が削減された。
さらに、茶殻には植物として吸収した二酸化炭素が炭素分として固定化されている。「お茶殻入り紙ナプキン」には、1,000枚あたり約165g‐CO2の炭素分(二酸化炭素換算)が含まれており(※)、炭素分を製品中に固定しているという点でも環境に配慮した設計となっている。

(※)ヤナコHCNコーダー MT−700HCN型により炭素量を測定

伊藤園では「お〜いお茶」をはじめとする茶系飲料の売上拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加している。
伊藤園は「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究に取り組み、茶殻の抗菌・消臭効果を利用した製品(畳、せっこうボード、ベンチ、ボールペンなど)や紙原料削減につながる製品(名刺や紙袋、段ボールなど)を開発するなど、独自のリサイクル技術「茶殻リサイクルシステム」を確立している。茶殻を乾燥させることなく活用するこのシステムは、これまでに環境関連の複数の賞を受賞している。

溝端紙工印刷は「私たちがいま、地球のためにできること」「事業の社会的使命に徹し国家社会に奉仕する」という経営理念から、植林木を利用した環境対応製品や非木材紙など環境に配慮した紙を積極的に活用した紙製品を取り扱ってきた。しかしながら、植林木や非木材を使用した紙製品は、他の紙製品と同様の形状・色のため市場では分かりづらく、お客様も一目でわかる、環境にやさしい新たな素材を模索してきた。

今回、伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えと、両社の「地球に配慮した製品づくり」「未利用素材の有効活用」という考えが合致し、「お茶殻入り紙ナプキン」の開発に至った。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:03| 流通