<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2009年05月19日

【流通】コマツ 個別ICチップに製造履歴などの情報を書き込む「チップIDマーカー」販売

--- 世界初の半導体チップ用「チップIDマーカー」 ---

コマツの100%子会社であるコマツエンジニアリングは、シリコンウェーハ上の個別ICチップに、製造履歴などの情報を書き込む「チップIDマーカー」を開発し販売を開始する。

近年、エコカー市場の拡大により、ハイブリッド車や電気自動車の生産が急速に伸びている。これらに搭載される電装品の半導体には、性能は勿論、安全性と信頼性を高める為の製造履歴情報が必要不可欠となってきている。新しく商品化した「チップIDマーカー」は、コマツが世界で初めて開発した新方式のレーザー照射による「凸ドット形成法」を採用することで、製造履歴情報をウェーハ上の個別ICチップの表(おもて)面に、物理的に書き込むことを可能にした。回路が描かれるICチップの表(おもて)面は、スペースが極めて限られており、従来の技術では物理的なIDマーキングを施すことは不可能だった。「チップIDマーカー」により、個別のICチップ毎にトレーサビリティの確保が可能となったことで、製造過程での粗悪品の混入を防ぐとともに、万一、不具合品が発生した場合も、製造履歴がいち早く検索できることで、迅速な対応ならびに原因究明につながる。

IDは、SEMI(*)標準に準拠した二次元コード(データマトリックスコード)であり、また、コードサイズは100μm×100μm以下と、世界最小のIDマーキングが可能となった。IDを構成するドットは、従来のマーキング装置では実現し得なかった微小な凸ドットで、飛散物をほとんど出さない。この装置は、書き込みと同時にコードの読み取りも可能で、高い生産性を実現した。新製品は5〜8インチウェーハに対応することができる。

* SEMI:Semiconductor Equipment and Materials International
(半導体製造装置・材料業界の国際団体)の略

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:55| 流通