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2009年04月03日

【知識】本田技研工業など、考えるだけでロボットを制御する技術を開発

本田技研工業の研究開発子会社であるホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンと、国際電気通信基礎技術研究所島津製作所は、世界で初めて脳波計(Electroencephalography 以下、EEG)と近赤外光脳計測装置(Near−Infrared Spectroscopy 以下、NIRS)を併用し、加えて新たな情報抽出技術を使用することで、ボタンを押すなどの身体を動かす動作が不要な、考えるだけでロボットを制御できるブレイン・マシン・インターフェース(Brain Machine Interface 以下、BMI)技術を開発した。将来的には、知能化技術やロボット技術などとの融合による、より人に優しい製品開発への応用を目指す。

人が考えるとき、脳では微弱な電流や血流の変化が生じる。これらをいかに正確に計測・解析できるかが、BMI技術の開発で最も重要な点である。新開発のBMIは、脳活動に伴う頭皮上の電位変化を計測するEEGと、脳血流の変化を計測するNIRSを併用し、これら二種類の複雑な情報を統計処理する情報抽出技術を新開発した。これにより、人が考えるだけで脳活動を高精度に判別することを可能とした。また、2006年に発表したBMIで用いた機能的核磁気共鳴画像(functional Magnetic Resonance Imaging 以下、fMRI)装置は、大型で、かつ強力な磁場が発生するため使用環境が限られていたが、新開発の計測装置には、より小型のEEGやNIRSを用いることで、様々な場所に移動して使用することを可能とした。


本田技研工業は、2005年より国際電気通信基礎技術研究所とともに人と機械をつなぐ新しいインターフェースの可能性を探るべく、BMI技術の研究・開発を行っている。両社の共同研究の結果、2006年5月には、fMRI装置を用いたBMIの開発に成功し、脳への電極の埋め込みや特殊な訓練なしに脳活動を解読し、ロボットハンドを制御することに世界で初めて成功した。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識