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2000年11月20日

【流通】SSMの時代

あ: 「や:」さん、最近わかんなくなってきました
   本物って何なのか?

や: 本物ねぇ・ ・ ・
   まぁ、あまり考え込まないで
   要は自分が満足できればいいんじゃない?
   「あ:」さんの場合は特に・ ・ ・  

あ: 自分で満足できるもの・ ・ ・
値切って値切って安く買えた時の満足も本物ですか?

 

や: ちょっと今日はその話からした方がよさそうだね・ ・ ・

 

・   2つの自己満足
・ ルイ・ヴィトンとユニクロ
・ 一連の流通構造を持つ優位性とは?
・ ネットとリアルのメリットデメリットを補完し合う事

 


や: 自己満足って2通りあるんだよね 

 

あ: 2通りですか?

 

や: まず自分が本当に満足できる事
そして他人に見られる事による満足と      

あ: 後者の場合は人と違うモノを持つって事ですね?

 

や: ちょっと違うね
@たくさんの人がその商品を知っている(=ブランド認知度が高い)
A数が少ない(=希少価値がある)
B高価である
C A・Bを合わせて手に入れにくいという共通項
Dそれを所有する喜びを価値
Eその前の条件としてモノが世の中にあふれている

 

あ: なるほど 水は今当たり前のように手に入りますが
砂漠のど真ん中では価値が上がるって事ですね  

や: 。 。 。 。 。
この辺りについては
いつもNEWS52をご覧頂いている方々には
よく分ってもらえると思いますが

ところで、いわゆる今の小売業態って残念かな
安売り以外の手法で差別化を見出せないでいるよね 

 

あ: ナショナルブランドを中心として
同じモノを買う場合には
消費者にとって安さが勝負ですからね

や: まぁ、唯一差別化を図れてるっていうのが
百貨店だろうね
基本的に安売りはしていないし
「のし紙」としてのブランドでの差別化がされている
日本的な文化といえる中元・歳暮では
この「のし紙」ブランドがひとつの優位性となっている
まぁ これもおさらいですけどね

あ:
 「や:」さん お歳暮何くれるんですか? 

 

や: (本でも読みなさい!)
ここで質問です!
ルイ・ヴィトンって一体何業なのか?「あ:」さん?

 

あ: そんなの簡単ですよ!(馬鹿にして!)
ルイ・ヴィトンは ・ ・ ・ ・ ・

 

 
――― 「あ:」の心の中 ―――
んっ? ちょっとまてよ        
高級ブランド品を作ってるよなぁ
でも、販売も自社でやってるし
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

えっ? 一体何業なんだ!!!

 

や: 製造、企画、広告、小売 ・ ・ ・ ・ ・
つまり一連の流通構造を持っているんだよ

あ: ルイ・ヴィトンって流通業って言えるかも!


や: 今大事なのは、
小売ってメーカーの販売代行者であって
そのもの自体を特別な方法で販売できない
そのモノにふさわしい売り方を自前で持つという
古典スタイルの他店舗化における流通システム保有企業みたいな・ ・ ・
サプライシステムのマネジメント( SSM )というか
例えば企業文化の溝 つまりチェーンの
緩みのような阻害要因を解決するような

でもよく考えたら
同じ事をやろうとしている(やっている)企業が
日本にもあるじゃない

あ: えっ! 日本にもルイ・ヴィトンのような企業があるんですか?

や: さっき流通業って言ったじゃんか!
そういう発想でいけば・ ・ ・
もうみなさんわかりましたよね!
わかってないのは「あ:」さんだけじゃない?

あ: ん――――――――っと
(製造、企画、広告、小売・ ・ ・ )
んっ? ひょ、ひょっとして
今乗りに乗っている――――
ユニクロですか!
ユニクロとルイ・ヴィトンが同じ業種って事ですね!

や: 
業種って言うんじゃなくてSSM同士!
ルイ・ヴィトンも日本でネット販売するし

あ: ユニクロもしてますから

や: SSMにおいてはリアルとネットは両立しやすい!


あ: 両方とも自前ですからね

や: ネット販売とリアルの販売って
相互補完するとメリットが多い
例えばルイ・ヴィトン
の店と街中のCVS
同じように客が100人が入ったとすると
お金を払ってモノを買う人はどっちが多い?

あ: (なんか今日は質問が多いなぁ)
そりゃ、CVSでしょう

や: ピンポーン! 正解です!
CVSの場合は購買目的で入店する場合が多いよね
でもルイ・ヴィトンの場合は購入決定までに時間がかかるでしょ
情報収集目的とか・ ・ ・
ほら、よくあるじゃない 

あ:
 Window Shopping

や: そう!!
ネット販売でのデメリットである
実物を見れないっていう部分を補えるくらいに
ルイ・ヴィトンの商品ってこんな感じっていうのが
ある程度わかるじゃんか
中にはリアルの店舗で実物を見て
海外で買うって人もいたりするみたいだけど・ ・ ・


SSMを行なっている企業の場合
販売代行者との間に起こりうるトレードオフの問題もないしね

あ: 販売代行者とのトレードオフですか?

や: たくさんの商品を店頭に並べて欲しい
それに対する在庫リスク・ ・ ・
こうしたトレードオフを一つの流通構造の中でうまく解決できる
ネット、店舗、それぞれのメリットデメリットを
補うカタチにしていけるんだよ
もう、こうなったら考え方としてはネットも店舗も関係ないよね

あ: ネットであろうと店舗であろうと
ルイ・ヴィトンとしては同じなんですね

や: 今の小売業が難しくなってきているのはこのあたりじゃないかな
商品を陳列する事による情報発信
それに対する在庫のリスク
こうした課題も重要なんだけど
結局は店に入ってきた人、HPを訪れた人が
どんなものを期待しているのか
その特性を知る事が大切なんじゃないかな

あ: 小売業ってますます大変ですね!
SSMがもてはやされる時代ですから・ ・ ・
でも、どうやってその特性を把握して
どう活かしたらいいんでしょうか?


や:
 それを明日、紹介しますよ(マーケティング)

あ: ...... to be continued 


◇◇◇関連記事◇◇◇

『ルイ・ヴィトン 日本でネット販売』

ルイ・ヴィトンを展開している仏ルイ・ヴィトン・マティエは、日本でインターネット通販を開始する。又、同社が進めている「グローバルストア」の展開を加速したい考えで、現在世界に280ある店舗を2003年末には300店体制とし、内60店をグローバルストアにする計画。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:17| 流通