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2001年02月09日

【流通】モノの価値を上げる流通

◆◆◆ 本日の記事をご覧になる前に ◆◆◆

――― 「や:」さんの解説  ―――

『ブランド商品における日本市場の特異性』

 

( 「や:」さん一人、編集室にて・ ・ ・ )

や: みなさん こんにちは
今日は
「か:」さん「あ:」さん両人の
お話をお聞きになる前に
是非ご理解頂きたい事があります

それは―――
いわゆるブランド商品というのは
本来、高所得者をターゲットとした商品ですよね
つまりこれがステータスとなるわけですが
ステータスというのは積み上げ式であって
決して商品の値引き販売はタブーなんです

でも、日本市場は違います
一般大衆の「ステータス消費価値満足度」が非常に高いんです
高級ブランド品を安く手に入れたいと思う気持ちが強い訳です

しかし、本来高級ブランドを欲する方々というのは
その買い方だとか、購入のプロセスにも
高級を求めるものなんです

例えば2000万〜3000万円もするスポーツカーを買うのに
ローンじゃ ちょっと・ ・ ・   ですよね

   日本の消費者には 「高いモノ」=「良いモノ」という考えが
他の国の人と比べて根強い気がします

しかしこの日本人独特の考え方が今、変わろうとしています
みんなこの事に気づき出せば
「高いモノ」=「良いモノ」が
みんなが「欲しいモノ」として存在し続けるのでしょうか?
高級ブランドは崩壊? 更に発展?
一体どうなる事でしょう・ ・ ・ ・

ん?  
「か:」さん「あ:」さんが帰ってきたようです
ではこの辺で ―――――――――――。
 
「や:」さん こっそり編集室を出て行く・ ・ ・ )



・ ( 2分後 )



か:
 いや〜 外は寒かったですねぇ
もうすぐバレンタインも近いですけど
なのに、「あ:」さん相変らず野暮ったいカッコして
たまには こう・・・ カッコイイ服着たらどうですか?

 

あ: いいんだよ、何でも
機能重視! 機能重視!!

 

か: 思い切ってブランドモノを買いましょうよ!
そうすればちょっとは見れるカッコになりますって!

あ: 悪いけど そんなお金ないよ
「か:」さんがうらやましい
いつもカッコイイ服着て・ ・ ・
しかもブランドモノときてる。 。 。

か: 何言ってんですか!
僕なんか今着ている服なんて
総額では
「あ:」さんより安く買ってますよ!

あ: な、な、なに 〜 !!!

 
『 アウトレットモール 続々登場  』

日本国内にこの2年間で開業したアウトレットモールは、20にものぼる。中でも軽井沢プリンスショッピングプラザでは、プラダ、フェラガモなどの有名ブランドも出店、LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下の日本法人5社も「セリーヌ」「クリスチャンディオール」「ジバンシイ」「ロエベ」「フェンディ」の前年の商品を聖価の40−50%で販売。但し、販売力のある「ルイ・ヴィトン」は扱わない。
 

あ: なるほど!
アウトレットね

 

か: 「あ:」さんも是非行ってみたらどうですか?

 

あ: でも、このアウトレットへの出店って
なかなか難しいんだろうね

 

か:   どうしてですか?
企業の在庫を処分したいという気持ちと
型落ちでも安く手に入れたいっていう消費者
双方が得をすると思うんですけど。 。 。
まぁ 僕なんてその恩恵を受けていますが

 

あ: やっぱり気になるのが
ブランドとしての価値を
どのようにコントロールできるかでしょ

 

か: やっぱりそこでしょうね
でも、今の消費のされかたって
低価格な商品と価格の高い商品、両極端になってるって聞きましたけど?

 

あ: 消費者の志向が
欲しいモノ(=高級品など)の為に
その他にかかるお金を安く抑えようとするでしょ
そこには「高かろう」=「良かろう」が前提だけどね
そして他社に追随を許さないような
低価格を実現する企業の登場・ ・ ・

 

か: 今の消費形態にマッチした企業の商品販売数が
伸びるのもわかりますね
でも、このアウトレットで扱う商品って
どっちの部類に入るんでしょう?

 

あ: もちろん 中間でしょう!
どっちでもないんじゃない?

 

か: 1 安かろう ―― 悪かろう
2 高かろう ―― 良かろう
3 安かろう ―― 良かろう!!
4 高かろう ―― 悪かろう??
いろいろな組み合わせがあるですけど
単にこうして考えるんじゃなくって
モノの価値を考える場合には
時間軸というものが重要視されるように
なってくる
んじゃないでしょうか?

 

あ: 今日は「か:」さん
よく語るね

 

か: よく予約販売なんかだと
いろんな特典がついてきたりしますよね
それが店頭に出回ると普通の価格で売られる
そして、バーゲンやアウトレットで割り引きされていく

 

あ: ん――――
で、?

か: 要するに同じ商品であっても
「時間軸」によって
消費者にとっての価値っていうのは
変化していくって事でしょ!

 

あ: 時間軸でも価値が変化ねぇ
価格が低くなっていったり
ずぅーっと価値が変わらないものや
逆に価値が上がっていくもの
いろいろあるよね
今月ルイヴィトンが
日本での販売価格見直しをするそうだけど
商品の価値を維持・向上させる為にも
こういった活動も必要なんだろうね

 

か: モノの価値変化という面で見ますと
モノ自体は変化しないはずです
土地にしても価格が下がったとしても
そこにある土地自体に何ら変化はないですから

 

あ: 需要・供給、経済環境と複雑にからみ合ってる
前にも話したんだけど
モノ自体の価値よりも、それ以外の価値のシェアが
高くなっている商品については
どれだけ消費者の「脳」に
価値ある商品と認識させる事ができるのかが重要
でしょ

か: 例えばアウトレットにしても
有名ブランドのアウトレットと
無名ブランドの新商品
全く同じハードの価値としても
やはり有名ブランドのアウトレットに目がいっちゃう!

 

あ: モノを所有するという事に
そのモノに対するいろんな情報という価値も
プラスされた中で
消費者の満足度っていうのが上がるか?下がるか?だと思う

 

か: 老舗ブランドでしたら
「これは西暦1○○○年からの伝統的な・ ・ ・
これ、みんな知ってる?」とか思いながら
満足してる時ってありますからね

 

あ: モノってハード+ソフトとして考えた場合
ソフトによって突然価値が変わるでしょ!
有名人が使った割り箸だとか・ ・ ・

 

   そうしたモノに対する情報が
どれだけ価値あるものなのかが重要で
この商品はどれだけの価値があるのか?
欲しいと思う人の数や期待値、時間軸での見方だとか・ ・ ・
SCMの導入などで製造〜販売までのコストを
どれだけ削減できるか?
今、企業は取り組んでるけど
逆にその他の価値をどれだけ上げる事ができる流通システムを
構築できるのか?

モノの価値が変化し続ける今
地域、数量、IR活動・ ・ ・
これらを複雑にからめた取組みが大事になってきてると思う

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:40| 流通

 

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