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2001年04月10日

【流通】第10クライ(位)もはや自動車メーカーじゃない?TOYOTA 6353 Tipping

――― 長文 ―――

や: では早速NEWS52な人 ベスト10を
紹介して参りましょう!
まず今日は10クライ(位) ―――― 『TOYOTA』

あ: えぇ ――――――っ! 
あの『TOYOTA』が10位ですか!
業界内、日本国内、世界中の企業の中で
常に先端企業として君臨している『TOYOTA』ですよ!

や: 今回上位が素晴らしいとか
下位がダメだとか
そうした見方を是非変えて欲しいんだよ
だってたとえ上位だとしても
落ちつつある上位もあれば
上り調子の下位だってあるわけだし。。。
要するにその度合いなんだよ! 大事なのは!!

あ: 1クライ(位)、10クライ(位)は
今回あまり関係ないんですよね!

や: ―――で、TOYOTAなんだけど・・・
最近評価が変わってきている

あ: そりゃ今元気のいい企業ですから
良い評価されるのは当たり前でしょう!

や: 何が変わってきているかっていうと
自動車に対する考え方が変わってきている
もはや自動車メーカーじゃないかもしれない・・・
元々品質は世界トップレベル!
自動車を「移動する為の道具」としてのハードとしてみた場合
その製造に関して言えば世界トップレベルでしょ

あ: 故障しにくい・・・
燃費もいい・・・
もちろん日本国内でも
特別な存在でしょう

や: TOYOTAの王道って言うか
 「日本的自動車階層社会」を自ら作り上げたでしょ

あ: 日本的自動車階層社会?

や: カローラから始まってマークU・・・
そして「いつかは・・・クラウン」でしょ!
この自ら作り上げてきた階層を上手く
ビジネスに活かしてきた

あ: でも最近変わってきてるんでしょ?
高級車のオープンカーを作ったり・・・

や: ニッチ層を狙った競合他社に真正面から
バッティングさせる車種を開発したり
輸入車のカテゴリー(市場)にも―――
今春、20周年を機会に発表した新型ソアラは
完全にマーケティングを仕掛けてきているね

あ: ソアラを知っている層に対して
興味を引き立たせる自動車に仕上げています

や: ただ、重要なのは
じっくり長――いカタチで増やしていけるのか?だね

あ: 長――い時間をかけて
育てる事が重要って事ですか?

や: 月間生産台数が200台って聞いてる
もし大人気となって生産が追いつかない状態になったとしたら・・・
急に増産体制をとって販売量を伸ばすのも
一つの対応だろうけど
いいモノ(自動車)は何年も待てるって事ないかな?

あ: 待つ・・・?
エルメスのケリーバッグのようにですか?
そりゃぁ 待つ楽しみもあるでしょう
外国ではウェイティングは日常茶飯と聞きますし。。。
でも、今の時代に商品を待ってもらうことって
即、販売機会損失だとか言われるでしょ?

や: でも、必要なものだからといって
すぐ売らなければならないのは
果たして正しいのか? 考えて欲しいんだよ
要するに、この新しく生まれ変わった「ソアラ」ブランドを
どのように育てていくかって事!
ブランドをどのように育てていくのか?
そして最も大切な価値観、満足感という消費者の感情を
いかに満たしていくのか?

TOYOTAにとって過去に足りないと言われてきた
ブランド力、そしてデザイン力であったり・・・
ただ、本来ブランド力ってハードの性能に比例するはず
ところが日本の消費者って「舶来モノ」に弱いんだよねぇ
これは異文化というものには(関税問題など)   
販売戦略的に歴史があるんだけど・・・

あ: それはありますね・・・
特に欧州ブランドには私も・・・

や: 欧米人に言わせると
今更何を(ブランド)って感じっぽい。。。
日本は今、一点豪華主義的な消費形態が見受けられて
これがTOYOTAの発展に寄与してきた

あ: 自ら作り上げた「日本的自動車階層社会」から
ブランドを育てる戦略ですね

や: いや、それだけでもなく
全く新しい概念だよ
我々のサイトにも「Tipperさん」が
たくさんいらっしゃるわけだし
この自動車流通をNEWS52風に考えると・・・

例えば販売機能を見てみると
今、販売店では小型車から高級車まで
同じ販売方式でしょ

あ: TOYOTAの自動車は
TOYOTAの販売店で買う
これが常識じゃないですか?

や: ただ、考えてみてよ!
車種によってターゲットとしている顧客層が
全く違うって事あるでしょ
例えば今回の新型ソアラのような高級車を購入する層に対して
アフターサービスから販売方法、店舗のつくりといった
顧客層に合った「演出」ができるのか?
チャネルとして「高級チャネル」が必要なのかもしれない
流通システムを主体とした新しい取り組みが
おそらくTOYOTA社内で活動しているな! これは!!


今、自動車メーカーって
系列店で自車しか扱っていない
消費者は他社の自動車といろいろ比較しながら
購入を検討するでしょ
もし、TOYOTAの販売店が
メガ・ディーラーになったとしたら・・・
他社との比較時にいろんなニーズを把握できるでしょ
恐ろしいことになりかねない・・・

あ: ん―――。
それは確かに言えるかもしれません

や: ブランドの価値を創造するためには
流通システム全体の高級化、高付加価値化が必要なんだよ
だから「販売方法」も非常に重要な要素になる
例えばルイ・ヴィトンは路面店を展開し
商品のイメージに合った顧客対応を行っている
自動車にも自動車毎のイメージに合った顧客対応
つまり「演出」が必要なんじゃないかな?
こうした対応は欧米に比べて差をつけられているかもしれない

あ: 日本はハード面では先進国
でもソフト面では後進国なのかもしれないって事ですね!

や: それを言うならソフト的にも先進なのに
気づいていない後進国って事だよ
ただ、ある程度わかっていると思うんだけどなぁ
TOYOTAはベンツが出している車種のカテゴリーに
あえてバッティングさせた車種を発表している(?)
確信犯(?)的なラインナップって感じかな
おそらく妥協的市場を狙って
消費者が求めているものをしっかり抑えているって事だよ
又、将来の新しい消費者像も視野に入れている


あ: 同じ性能、もしくはそれ以上の性能で
価格(日本国内の価格)を比較した場合
TOYOTAに軍配が上がるような・・・

や: それが今の消費者の欲するところであり
その上が日本人としての夢にもつながる・・・
オリジナルを生み出すよりも
「ベンツと性能を比較してお買い得」とか。。。

自動車業界だけでなく日本、そして世界を代表するTOYOTA―――
消費者が所有欲を持つよう
品質bP、ブランドbPを作り出せるのか?
作り出せるのはもしかしたらTOYOTAだけなのかもしれない。。。

あ: そういう意味でも
今回新たに発表された
ソアラには期待大ですね

や: それとTOYOTAの経営について触れると
雇用をとても大切にしているよね
外国人のCOOによって経営を再建中の他自動車メーカーのように
ドラスティックな変革を行っている企業もあるけど
TOYOTAって非常に対照的だよね
そう考えると何が正しいのか?
今、バブル当時のことをいろいろ言う人も多いけど
当時は当時の価値があったわけで
今、リストラを発表すれば株価が上がるとか
そんな事が言われているけど
その場しのぎ的対応ばっかりで
果たして企業としての「哲学」みたいなものが生まれるのか?
「企業としての哲学」――― これが大切なんだよ

あ: 「哲学」ですか・・・
自動車業界に限った話じゃありませんね

や: じゃぁ、どうすればいいのか?
NEWS52風に言うと・・・
自動車のブランド価値を考えた流通チャネルを作ってみる!
そのために、例えば設備を伴わない買収(ブランドだけ)とか

あ: そんな買収ってあるんですか?

や: 普通は買収となるとその工場とか
いろんな設備も含まれるケースが多い
そうじゃなくって
ブランドだけを買収するイメージ

それと自動車のシートとかハンドルだとか
材質自体にブランドをつけていく

高級ブランドとの提携もね!

あ: えっ! 高級ブランドとの提携って
TOYOTAは既にやってるでしょ
米国のCOACH社のシート革を使った車の開発とか・・・

や: それも口コミ的なマーケティングでね
友人に聞いてはじめて知ったとか・・・  

流通構造自体がブランド化されてくると
良いモノはブランド化されてくる
例えばアイシン製のミッションだと
ミッション by アイシンとか・・・
その他日本にも老舗といわれるブランドがたくさんある!
これをうまく活用していくとか・・・

あ: intel inside のような感じですね!

や: 消費者の価値観、そして安心感、所有欲を
もっと高めていかないといけないって事―――

こういう流通システムを
文化的にも変えていける人がたくさんいる
それがTOYOTAなんじゃないかな?
又、そういう方々に
NEWS52をご覧頂いているわけですから・・・

あ: 我々が偉そうな事言えないんですけどね

や: これからこのコーナーで紹介させて頂く企業さんは
これからきっと飛躍していくでしょう!
今日、TOYOTAさんは6353Tippingだよ!スゴイ!
ヒントになる部分ってたくさんある
カンバン方式、商品規格の厳格さ、
従業員さんを大切にしているところ・・・

あ: そうですよ!
私も本当に勉強させて頂いています

や: このコーナーに紹介させていただく企業に
そして読者のみなさんにとって
お役に立つような情報を我々も発信し続けていきたいね!

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:04| 流通